TZ 7359:John Zorn "Astronome"(2006)

 構築の演奏と粗暴なシャウトが絡み合った。

 ムーンチャイルドの第二弾。三部七楽章に分かれた作品で、録音とミックスはビル・ラズウェルが努めた。ひしゃげまくったエレキベースに、クリアなドラム。パットンが低くおどろおどろしげに吼えまくる。ジャズよりロックの文脈で聴いたほうが、馴染めるのではないか。

 多少の緩急はあるが、即興とも作曲ともつかぬ演奏は淡々とパワフルに繰り出された。パットンの声が良くも悪しくも、本盤のイメージを強調した。もし演奏だけならば、クールでタイトな構築性の側面が目立ったろう。
 けれどもパットンのランダムな吼え声が、本盤にパンキッシュな暴力性を植え付けた。
 演奏だけ聴くと、見事にコントロールされている。ぐしゃぐしゃに歪ませた音色と拍頭を微妙にずらしグルーヴを出す、ジョーイ・バロンの得意技が見事に噛み合った。
 あくまでぼくの趣味だけど、パットンの乱暴なシャウトが邪魔くさい・・・。

 タイトルのAstronomeとは天文学者。各副題を訳すと、こんな感じ? 
 オカルティックで神秘的な世界観が伺える。秘密めいた実験室での出来事を描いたか。

"Act One: A Secluded Clearing in the Woods; A Single Bed in a Small Room; The Innermost Chapel of a Secret Temple"
 『第一幕:人里離れた森の中で空いてる場所:小さな部屋のシングルベッド:秘密寺院で最深部の礼拝堂』

"Act Two: A Medieval Laboratory; In the Magick Circle"
 『第二幕:中世の実験室:魔法陣の中で』

"Act Three: A Barren Plain at Midnight; An Unnamed Location"
 『第三幕:深夜の不毛な平野:名もなき場所』

 なお本盤の裏ジャケには約半年後の翌年三月に発表される、第三弾"Six Litanies for Heliogabalus"のタイトル予告有り。活動の継続性をアピールに余念ない。

Personnel;
Joey Baron: Drums
Mike Patton: Voice
Trevor Dunn: Bass

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