TZ 7336:Naked City "Naked City Live vol. 1: Knitting Factory 1989"(2002)

 リリース直前の、凄まじい完成度が聴ける。

 ネイキッド・シティもTZADIKから見れば過去のバンド。TZADIKでのまとめっぷりは、今一つもどかしい。
本レーベルでは"Black Box"(1997)でいったん過去2枚のアルバムをリイシュー。廃盤後に5枚組Box"The Complete Studio Recordings"(2005)で活動をまとめた。"The Complete Studio Recordings"があれば"Black Box"は割愛してもOKそうに見える。というわけで、"Black Box"は聴いたことが無い。

 本盤は解説付きで日本版もAVANからリリースされた。解説に寄れば「全4枚のライブがTZADIKから発売予定」とある。しかし10年以上たつ今も、第二弾が発売されるそぶりは無い。
 おまけに再結成の様子もない。ペインキラーはドラムを変えつつも再演のファンサービスなのに。50周年のライブでは再結成されなかった。猛烈に複雑な譜面の上に、メンバー全員が大物な今は、やむを得ないのかもしれない。

 ネイキッド・シティは緻密なスタジオ音源とともに、ダイナミックなライブ音源も魅力なだけに、公式に色々と発売してほしいもの。ブートレグ音源のリストもネットで見かけたことがある。今、ちょっとURLが見当たらないが・・・。

 本盤は1stアルバム録音前、ニッティング・ファクトリーでのライブ音源。歓声は聴かせず、シャープに次々と演奏を披露する。ダイナミックでタイトな演奏は、勇ましくてクールだ。
 ここではEYEのシャウトも無く、フリークな異物感は薄い。むしろ寂しげな雰囲気が淡々と漂う。

 Masadaの初期ライブは、ちょっと揺らぐトロいところもあった。だがネイキッド・シティは最初から固まっていた。既存の曲を猛スピードで演奏し、聴き手を振り回す。スラッシュの暴力さとカントリーやバットマンみたいな馴染み深い曲が、サックスを筆頭とした前衛ノイジーさとおっとり馴染む。
 複合要素を出しつつも、根本は聴きやすい。ジャズだが無闇にソロ回しへ耽溺せず、着々と曲を消化する。ジェットコースターめいた焦りともどかしさが象徴された盤だ。
 その複雑で猛烈なテクニックを、たやすく披露する超人たちのスナップ写真が、これだ。

 最後の(20)だけ、なぜか10分以上かけてジックリと聴かせる。最初は終演後のBGMかと思った。ライブではまだ、レコード前だしアンコールで観客の期待に応えたジャズもやってたってことか。

Personnel:
Joey Baron: Drums
Bill Frisell: Guitar
Fred Frith: Bass
Wayne Horvitz: Keyboards
John Zorn: Alto Saxophone

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