TZ 8086:Timba Harris "neXus: Cascadia"(2012)

 電子音も織り込んだ抽象的な現代音楽。


 2011年に作った組曲を収録した。Timba HarrisはTZADIKでも馴染のバンドSecret Chiefs 3のメンバーだが、本盤ではがっつりと現代音楽を披露してる。
 ノイズ志向ではないが、そうとうに生硬なため聴くには集中力が必要だ。

 彼のWebで本盤収録の作品について、かなり細かい過程が書かれている。難解だが要するに、非常に論理的かつコンセプトを設定して作曲したようだ。構成やアンサンブルにはそれぞれ意味合いを持たせている。また、即興要素もあるもよう。
http://www.timbaharris.com/neXus.php

 聴こえる音楽は、荘厳にして厳粛。冒頭から電子音楽や厳かな合唱が響き、バロック以前の宗教音楽を聴いてるかのよう。テクニックをひけらかしではないが、緻密で破綻の無い演奏は、静かな凄みあり。

 メロディはゆったり動き、アンビエントな風景が雄大に広がった。生楽器と電子音が並列かつ、ごく自然に背景の一要素として空気に溶けた。
 旋律の流れよりも音像そのものに構成の軸足を置いたかのよう。

(4)でパーカッションとサックス群の音像が静かなベースに支えられ、若干ジャズめいた風景を紡いだ。しかし隅々まで制御された音楽は、あくまでも現代音楽だと気づく。音そのものも、やがてインダストリアル・ノイズかドローンの海に沈んでいく。

 バイオリン奏者のアイデンティティは、楽曲の所々でわずかに現れる。軋む音は鈍く、重い。全体的に沈鬱なイメージが漂った。
 この種の音楽を求めて聴く際には、細密で丁寧な作曲手法に魅力も感じるが。

Personnel:
Timba Harris: Violin, Strings

Cal State Long Beach University Choir directed by Dr. Jonathan Talberg
Shahzad Ismaily: Organ Bass, Bass
Eyvind Kang: Viola
Paul Moore: Analog Synths
Skerik: Saxes With Live Effects
Ches Smith: Drums
Dave Abramson: Percussion
Milky Burgess: Guitar
Randall Dunn: Analog Synths, Electroacoustic Processing
John Kaced: Power Electronics
Jessika Kenney: Voice
Timm Mason: Modular Synths
Don McGreevy: Percussion

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