TZ 8181:AutorYno "Cosmopolitan Traffic"(2013)

 パリ発のしぶといグルーヴなエレキギターのインスト・トリオ。

 Tzadikで"Pastrami Bagel Social Club"(2010)に次ぐ2ndが本作になる。しごくシンプルな音楽性に昇華した。逆にアメリカン・ロックの色合いが強まり過ぎたともいえる。クレヅマー的な要素はほとんど聴こえない。

 リーダーはギターのDavid Konopnickiで作曲も担当した。タイトで着実に拍頭を食うドラムに、やはり淡々とリフを重ねるベース。もちろん彼らのソロはある。アレンジでキメや変拍子にフィルやオブリなども披露する。だけど基本はしごくオーソドックスで手堅いリズム隊だ。
 いきおい演奏はギターの独り舞台となる。歪みからブライトさまで音色をさまざまに変ながらギターが弾きまくられた。

 ハードロックを基調に、ほんのりブルージー。そんなアプローチか。速弾きやプログレ的な複雑さを混ぜる。根本的に素直で真正直な音楽性のため、毒や鋭さを求めると物足りない。
 フュージョンみたいにテクニック追求のヘルシーな純粋培養さは無く、粘っこいグルーヴあるのが救いか。しかしさっぱりと派手に盛り上がる無邪気さが、このバンドの味だ。

 録音はパリで行われ、ダビングがニューヨーク、とある。二曲でゲストが参加してるが、彼らのダビングがニューヨークということか。
 ゲストはまさにフュージョン界からGary Lucasが参加した。もしかしたらDavid Konopnickiの狙うサウンドは、そもそもこっちなのかも。クレツマー要素のアリバイ作りをするかの如く、一曲でDavid Krakauerがクラリネットを吹いた。

 タイトなビートに乗ったエレキギターの奔流は、シンプルなかっこよさ有り。テクニカルに振り回すサウンドも悪くない。TZADIKのユダヤ枠で聴くには違和感あるが、爽快なギター・ジャズ風に楽しんでも良いかな。

Personnel:
David Konopnicki: Fretless And Fretted Guitars
Bertrand Delorme: Bass
Cyril Grimaud: Drums

Special Guests
David Krakauer: Clarinet (on 2)
Gary Lucas: Guitar (on 4)

2010年のツアー映像がYoutubeでいくつか有り。
 

ジョン・ゾーンがらみではフランスでのBook of Angelライブに、Abraxasとの共演映像があった。2015年4月17日のライブ。クリムゾンみたいなダブル・トリオっぽい演奏はけっこう、かっこいいぞ。



関連記事

コメント

非公開コメント