TZ 7608:Cyro Baptista "Beat the Donkey"(2002)

 ラテン風味の強靭なパーカッションの饗宴。

 TZADIKやジョン・ゾーンの音源で馴染のパーカッション奏者、Cyro Baptistaの4thソロ。TZADIKでは本盤が初リリースになる。
 コンセプトは自らも含め12人の打楽器奏者のバンド。各曲で後述パーソネルのゾーンも含む多彩なゲストを招いた。

 ポリリズムや複雑なリズム・アンサンブルではない。リズムのユニゾンで厚み志向でもない。楽曲ごとに様々なリズムを背後で鳴らすっていう、非常に音楽の享楽に軸足を置いたサウンドに聴こえる。
 ビートでは無くパーカッションの賑やかで楽しい雰囲気を強調か。

 歌モノからインプロの勢いまで、バラエティに富んだアルバムだ。たしかなテクニックでタイトに決めるが、曲芸めいた手わざの披露は無い。あくまでもダンサブルに、華やかに。ラテンが基調ながら、アフリカやアジアを思わす世界各国の音楽性を、貪欲に吸収した。
 さらにポップな楽曲からアヴァンギャルドな即興まで幅広い音楽を、たやすく咀嚼する懐の太さも本盤の魅力。

 このバンドは数年後に"Love the Donkey"(2005)をTZADIKから発表。だがCyro Baptistaが新バンドBanquet of the Spiritsを結成のため、現在はBeat the Donkeyでのアルバムは無い。しかしごくたまにライブで再結成はあり。この本人によるライブ記録によれば、直近では2014年11月にNYのStoneでCyroがキュレーターをつとめた際に、再結成が行われた。

Personnel;
Cyro Baptista - percussion, vocals
Amir Ziv, Cabello Rolim, Kim Tamango, Kristina Kanders, Max Pollak, Sabina Ciari, Tim Keiper, Tisza Coelho, Tomer Tzur, Viva de Concini, Ze Mauricio - percussion, vocals

Erik Friedlander - cello (tracks 1 & 9)
Jamie Saft (track 1), Peter Scherer (track 9) - synthesizer
Francisco Centeno (track 2), Nilson Matta (track 11) - bass
Kevin Breit (track 10), Romero Lubambo (tracks 2 & 11), Marc Ribot (tracks 3 & 5) - guitar
Vanessa Saft (track 11), Luciana Souza (track 2) - vocals
Sergio Brandao - bass, guitar, vocals (tracks 3-6)
Anat Cohen - clarinet, vocals (track 6)
Jorge Alabe - percussion (tracks 9 & 10)
Toninho Ferragutti - accordion (track 10)
John Zorn - alto saxophone (track 10)

 


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