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Night Ranger 「High Road」(2014)

 抜群にキャッチーな産業ロックで、捨て曲無し。

 といっても売れない産業ロックは、単にパワー・ハード・ロックと呼ぶべきか。80年代が全盛期なイメージのナイト・レンジャーが、2014年に発表したアルバム。この盤は全米104位までは到達した。
 発売元のフロンティアーズ・レコードはイタリア資本。この抒情的なノリは、レーベルの要請もあったのか。

 サン・フランシスコ出身で79年に結成以降、89~92年の解散時期を除き、着々と活動は継続していた。基本のメンバーは続きながらも、Wikiを見ると入れ代わり立ち代わりメンバー入れ替えがあったとわかる。

 この盤では初期メンバーがケリー・ケイギー(ds)、ブラッド・ギルス(g),ジャック・ブレイズ (vo,b)の三人。08年から参加のジョー・ホーケストラ(g),11年から参加のエリック・エンヴィー(key)って布陣だった。
 そしてこの盤を最後にホーケストラが脱退し、ホワイトスネイクへ移籍する。

 だがこの盤を製作時点で、メンバー間はそこまで険悪じゃなかったのかも。楽曲は全てオリジナル。ブレイズとギルス、ケイギーの古株組が基本に作曲して、他のふたりが時に作曲クレジットに名を添えた。
 
 シンフォニックだが、英国的な硬質のクラシカルな色に寄り過ぎない。ブルージーながら、いくぶん軽い。エレキギター中心でも、鍵盤へ見せ場をたっぷり作る。
 総力戦だ。
 ボーカルのメロディは滑らかかつキャッチーで、ワイルド。喧しく賑やかに盛り上がる要素をふんだんに振りまきつつ、時にスローやメリハリある場面つけて単調に陥ることを避けた。

 あまり期待せず、なんとなく聴いてみたが嬉しい驚き。こんなシンプルに盛り上がる、痛快なロック・アルバムに仕上がってたとは。
 ベテラン・バンドなりの手慣れたテクニックは、おざなりに小さくまとまらない。寸毫も漏らさず聴き手を楽しませようってサービス精神に溢れてた。
 
 ハード・ロックらしい大袈裟な雰囲気は多分にまといつつも、様式美に留まらないのはキャリアを重ねた手練手管か。もともとぼくはハード・ロックに馴染みが無いため、典型的なノリだと飽きてしまう。
 しかし本盤はアップからバラードまで幅広く、整いつつテクニカルだが荒っぽさも秘めた楽曲づくりを心地よく聴けた。
 全曲がスタジアム級のライブで映えそうな、大きなスケール感と親しみやすさを持っている。

 いわゆる産業ロックのど真ん中なアプローチ。だけどこのときのナイト・レンジャーは大資本の裏付けでアルバムを製作してたわけじゃない。ライブを重ねながら売らんかなって集中力と熱意を込めて、隙の無い作品を作った。


Track list
1 High Road 3:55
2 Knock Knock Never Stop 3:42
3 Rollin' On 4:45
4 Don't Live Here Anymore 5:40
5 I'm Coming Home 4:51
6 X Generation 4:56
7 Only For You 4:39
8 Hang On 5:39
9 St. Bartholomew 4:27
10 Brothers 4:30
11 L.A. No Name 4:26

Personne
Jack Blades - bass, vocals
Kelly Keagy - drums, vocals
Brad Gillis - guitars, vocals
Joel Hoekstra - guitars
Eric Levy - keyboards

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