TZ 7513:Steve Beresford "Cue Sheets II"(2002)

 97-00年に映画やテレビなどに提供したサントラ集の2作目。だからタイトルが「キュー・シート」か。

 Steve Beresfordはイギリスで70年代から活躍するベテラン・インプロヴァイザーで、多数のアルバムをさまざまなレーベルからリリースしている。代表的な所属バンドはThe Melody Four。The Flying Lizardsにも参加した経歴があり、日本人も参加したキッチュなバンドFrank Chickensのメンバーでもあるらしい。TZADIKでは"Cue Sheets"(1996)に続く6年ぶりの盤。
 
 10分超えの長尺3曲から、2分あまりの小品2曲まで幅広い長さの8曲を収録した。楽曲ごとに編成や曲のタイプは変わるが、共通するのはロマンティックさ滲む緊張感。ラウンジ寄りのジョン・ゾーン作品に何となく通じる香りがした。
 楽曲ごとのクレジットは細かくなるため、こちらを参照ください。http://www.discogs.com/Steve-Beresford-Cue-Sheets-II/release/1137813

 どの曲でも鍵盤をべレスフォードが弾いてはいるが、特に自分を目立たせる目的はない。あくまで演奏の一要素として、自らは作曲家としてふるまった。フリーや即興にもこだわらず、美しい旋律をふんだんに奏でる丁寧な作品集だ。楽曲により編成もアプローチも大きく異なる。

 特に共通する音楽性は無い。ラテン、エキゾティック、クラシカル、アバンギャルド、そしてジャズ。色々な音楽性が溶けた。

 時々奇妙な音楽も入る。(3)はインドのボリウッド音楽スタイルそのままで、作曲とアレンジした。独特の震えるメロディや安っぽいシンセに、タブラなどインド・パーカッションを混ぜた楽曲は、見事というか器用というか。よりによってこの曲が12分越えな長尺曲の一つ。コラージュ風に場面転換する。

 美しいメロディの合間に、奇妙なミニマル風のサウンドの(6)も現れる。
 油断ならない。多才さが伺える一枚。

Personnel:
Personnel:
Najma Akhtar
Clive Bell
Steve Beresford
Ansuman Biswas
Jayanta Bose
Amanda M. Breden
Tom Chant
Adrian Charlesworth
Rhodri Davies
Thomas Dyani
John Edwards
Sylvia Hallett
Charles Knights
Katina Laoutaris-Smith
Karen O’Brien
Slava Kagan Paley
Ashan Pillai
Hans Reichel
Philip Sheppard
Pat Thomas
Kubryk Townsend
Roger Turner
Emma Vidgeon
Byron Wallen
Jason Yarde

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