TZ 8185:Paul Shapiro "Shofarot Verses"(2014)

 自らのルーツを虚心にじっくり深堀りしたか。ジャズよりむしろロックンロールの香りがする。

"Midnight Minyan"(2003)、"It's in the Twilight"(2006)、"Essen"(2008)に続く、TZADIKで4thリーダー作が本盤"Shofarot Verses"(2014)だ。

 本作はまさにソロ。ドラムこそ馴染のメンバーだが、マーク・リボーにブラッド・ジョーンズと腕っこきを集めた、シンプルなカルテット編成が基本だ。さらに本盤ではサックスに加え角笛(Shofar)も演奏した。
 
 冒頭はリバーブかけた中で、たっぷりと無伴奏テナー・サックス・ソロを5分に渡りロマンティックに披露する。以降はマーク・リボーのエレキギターもたっぷりフィーチュアした、タイトで歯切れのいいインストを聴かせた。

 もちろんジャズ要素もあるが、(3)はサーフィン・インストなロックンロールと、時代の流れが不明なアプローチを決めた。アドリブでフリーにフレーズ展開をせず、滑らかに変奏する。

 (4)から(7)はブルージーなジャズとロックの融合っぽい。いやむしろ、中央線ジャズに通じるタイトさとセンチメンタリズムだ。こうなるとベースとドラムが今一つ弱い。もっとぐいぐいとサウンドを貫く強度が欲しい。
 カッチリとアレンジされており、キメがつぎつぎ現れる。ただし正直なところ・・・この盤を聴きこむなら、KIKI BANDを聴く。

 なお(7)はブラッド・ジョーンズが歌でクレジットされてるが、掛け声ていど。
 (8)は再びラウンジ・インストっぽいロックンロール。(9)はエキゾティックな香りはするが、ユダヤ文化回帰よりは素直に異文化への好奇心で演奏してる気がする。

 骨太なクレツマー・ジャズから一歩離れて、気軽に吹き込んだ一枚ではないか。

Personnel:
Paul Shapiro: Tenor/Alto/ Soprano Sax, Shofar(on 6)
Brad Jones: Acoustic Bass, Vocals(on 7)
Tony Lewis: Drums
Marc Ribot: Guitar

Special Guest
Adam Rudolph: Frame Drum, Udu Drum, Shakers, Bell (on 9)

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