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Alexa V 「Timeless」(2020)

 静かで伸びやかな歌と、凝った昏い和音展開が奇妙な味わい。

 詳細経歴は見つけられなかった。Bandcampにも音源が見当たらず。ソロの女性歌手で、朗々と歌い上げるが無闇に声を響かせない。

 演奏はシンセが主体のシンプルなエレクトロ。チェロやピアノ、ドラム音色も曲によって聴こえるが、打ち込みかも。アコギやエレキは生演奏かな。
 昨年9月に(6)、11月に(1)を発表を経て、20年3月にミニ・アルバムなボリュームで6曲入りの本盤をデジタル・リリースした。たぶんすべてが自主製作。

 (1)だけを聴くとゴスペル経由のソウルに聴こえるが、(2)以降のひしゃげた和音感が異質な透明さを醸す。
 しっかりしたメロディを歌う一方で、バッキングの和音と音がぶつかって不穏なムードを作った。

 暗めなムードが持ち味だとしても、耽美さや自己愛の閉じた志向とは異なる。もう少し開放的なアプローチだ。むしろこういう和音感こそが、彼女の好みか。
 多重ボーカルや残響も使いながら、幻想的な風景を描いた。

 声域も広く(4)では高めの音域でしなやかで清涼な歌を聴かせる。ソウルと安直に分類したが、むしろポップス寄り。(1)でこそゴスペル風味ながら、うっすらサイケな色合いもあり。
 (5)も英国っぽい乾いたエレクトロ・ポップだ。和音感がとても変則で不安定さが停まらない。

 しかし(6)は60年代ポップスに通じるシンプルさを、打ち込みビートで軽やかに表現した。この(6)もところどころ、空虚な和音感が耳を惹く。どこまで確信犯だろう。音楽知識がぼくに無く、コード分析ができず残念だ。

 かなり癖のある響きのため、聴き手は選ぶかも。この和音使いに磨きをかけたら独自性はさらに強まると思う。


Track list
1.In time 3:53
2.Blindspot 4:40
3.Overwhelming 4:16
4.Eyeing you 3:45
5.Yes 4:11
6.Diamond Doll 3:18

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