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King Gizzard And The Lizard Wizard 「Gumboot Soup」(2017)

 総決算でいろんな要素を詰め込んだ。

 キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードの5枚連続リリースな2017年の最後に発表したアルバム。
 最初こそナイーブで柔らかいムードの(1)で始まるけれど、アルバムが進むにつれ多様な表情を魅せる。

 シンフォニックな(2)は微分音の響きも混ぜ、軽やかな(3)はエレクトリックながらアコースティック交じり。ストレートでニューウェーブっぽい(4)から、ドリーミーなサイケの(5)へ。
 小気味良く僅かにスカスカなロックの(6)のあとで、ぐしゃぐしゃに混沌なヘビー・サイケ(7)が現れる。
 甘く柔らかい夢見心地の(8)は、力任せでジャムっぽい(9)に。
 頼りなくふわふわ広がる(10)を、密やかに籠ったサイケ・ポップの(11)でしめた。

 過去、キンギザがさまざまな方向性でリリースしまくったアルバムの要素や片鱗がそこかしこに浮かぶ。特に彼らは明確な志向の結合や、過去作との直結を意識はしてなかろう。
 だがバラエティさを狙ったことが、必然的に過去作の引き出しとつながりを現す。
 作曲もステュ・マッケンジーが一本槍ではない。バンド・メンバーがそれなりに共作や曲提供で貢献した。

 本盤が彼らの総決算や、代表作にまで昇華されてないところが、面白くて奇妙だ。まるで各盤のアウトテイクを集めたような、とっ散らかった側面もある。2017年の諸作に留まらず、2010年のデビューから通したアウトテイク集かのごとく。
 とはいえ散漫ではない。キチンとアルバムとして統一感はある。ライブも積極的に行うバンドにもかかわらず、スタジオでも作り込める。そんな両極面を本盤でキンギザは示した。


Track list
1 Beginner's Luck 4:25
2 Greenhouse Heat Death 4:13
3 Barefoot Desert 3:43
4 Muddy Water 3:38
5 Superposition 3:35
6 Down The Sink 3:59
7 The Great Chain Of Being 4:50
8 The Last Oasis 3:34
9 All Is Known 3:34
10 I'm Sleepin' In 3:00
11 The Wheel 5:37

Personnel
Michael Cavanagh – drums (tracks 1-9, 11)
Cook Craig – guitar (tracks 2, 3, 6, 7, 9), vocals (tracks 3, 6), keys (tracks 3, 6), bass guitar (tracks 3, 6), mellotron (track 6)
Ambrose Kenny-Smith – vocals (tracks 1, 3, 4, 6, 8-11), harmonica (tracks 9, 10), synthesizer (track 7), keys (track 9)
Stu Mackenzie – vocals (tracks 1, 2, 4, 7-11), keys (tracks 1, 3, 4, 6, 8, 10, 11), percussion (tracks 1-4, 9-11), guitar (tracks 1, 2, 4, 7, 9, 10), mellotron (tracks 1, 3, 6, 8, 10), flute (tracks 1, 3-6), saxophone (tracks 4, 5, 6, 9), bass (tracks 1, 10), synthesizer (tracks 2, 7), drums (track 10)
Eric Moore – drums (tracks 7, 9)
Lucas Skinner – bass (tracks 2, 4, 7, 9), keys (tracks 8, 11), piano (track 1)
Joey Walker – guitar (tracks 2, 4, 5, 7, 9), bass (tracks 5, 8, 11), synthesizer (track 5), vocals (track 5), percussion (track 5)

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