TZ 7085b:John Zorn "Chimeras"(2003/2009)

 珍しくゾーンが若干手を加え再発した、現代音楽の室内楽。


 副題は"A Child's Adventures In The Realms Of The Unreal(架空王国にて冒険の子供)"。ヘンリー・ダーガーやルイス・キャロル、ウニカ・チュルンを意識した作曲という。幻想的で繊細で内省するファンタジー、か。弦と木管楽器に打楽器の9人編成なアンサンブル。

 もともとは03年に録音、TZADIKからリリースされた。ところが09年に改訂が本盤だ。変更点は二ヶ所。ポストリュードを新録音で付け加え、当初のひとつながりな組曲を二部構成へ定義を変更した。
 ポストリュード以外は初版と同一かな?未調のため聴き比べられていない。ちなみにポストリュードはわずか16秒のチェレスタ独奏曲。実質的にはほんの数音だ。この楽曲に込められた意味は何だろう。

 ヴァーチュオーゾ志向の跳躍や変拍子の激しいトリッキーな音楽。クラシカルに喉を震わすElizabeth Farnumのおかげで幻想と荘厳色がついた。メロディアスな場面と無機質に音が飛ぶ場面が交互に登場する。ジョン・ゾーンの他の曲でも聴いたことあるような音楽性な気もするが、どの曲か思い出せない・・・。

 ポストリュードを入れて全14楽章構成。楽章ごとに楽器の編成が違う。特にシンメトリーになってないが、ゾーンの事だから楽器選択にも何らかの論理/法則性があるのかも。
 ライナーに全体構成のメモと思しき画像が乗ってるが、字が汚く何が書いてあるか読み取れない。まるで暗号だ。
 
 寛ぎまで突き抜けず不安をあおるメロディも頻出する、あくまでもBGMでなくクラシックを意識した楽曲だ。一部の旋律は即興かな?めちゃくちゃに跳躍する場面でもきっちりコントロールされた演奏は、確かなテクニックと秩序あり。さすがジョン・ゾーンのクラシック楽曲を幾度も演奏してきたメンバーだ。

Personnel:
Brad Lubman: Conductor
Jennifer Choi: Violin
Ilana Davidson: Voice
Fred Sherry: Cello
Stephen Drury: Piano, Celesta, Organ
Elizabeth Farnum: Voice
Tara O'Connor: Piccolo, Flute, Alto Flute, Bass Flute
William Winant: Percussion
Mike Lowenstern: Clarinet, Bass Clarinet

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