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King Gizzard & the Lizard Wizard 「Quarters!」(2015)

 多様な長尺サイケ・ポップのアプローチでタルッと酩酊気分。

 キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードの6thアルバムは、思い切りコンセプトに寄せた。全4曲、どれも10分10秒。
 たとえばプリンスの"N.W.E.S"のごとく、各曲を連結はしないけれど。どれもフラットな立ち位置に調節して、なおかつじっくり聴かせるアイディアを具現化した。

 Amazon Music Unlimitedの配信音源だと、(3)のラジオ用編集テイクが入っており、少々興ざめ感はあるけれど、それはご愛敬として受け止めよう。
 ちなみにそのラジオ・エディットも、時間表記は3:45。なんかこだわってそうな空気だ。
 この盤あたりから、キンギザはアルバムごとにコンセプト色を強めていく。

 長尺4曲集と言いながら、各曲のアレンジ・パターンはそれぞれ少しづつ変えている。
 単に長尺を手なりで奏でて終わりじゃない。きちんと各曲にもアイディアを施した。

 (1)はまず歌モノを一通りやって、中間部に長尺ジャムを配置した。
 続く(2)だとシンプルな平歌とサビの繰り返しを延々続けて、引き延ばすパターン。歌詞サイトだと、平歌は13番まである。

 (3)も(2)と似たパターンだが、中間部でギター・ソロをたっぷり織り込み、トロピカルなラウンジ感を強調した。
 か細く、しゃくるような歌声が、ほのぼのサウンドにひときわ似合ってる。
 (4)は一通り歌を奏でて、インスト部分と歌を組み合わせた。(1)や(3)よりも構築されており、柔らかな脱力シンフォニック・プログレっぽい味わいが濃厚だ。

 なお本盤では、どの曲も60年代サイケ・ポップ直系のアプローチで、寛ぎと穏やかなムードを醸し出す。天気のいい昼下がり、ビール片手で過ごすのにぴったりなBGMだ。
 小気味よく畳みかける性急さは脇に置き、ゆったりじっくりと伸びやかな雰囲気に浸りたい。穏やかでサイケなグルーヴを心地よく楽しめる。
 かぼそく頼りなげなボーカルが、ひよひよと全編に漂った。

 ジャム・バンド風に寛いだライブっぽさもうっすら香る本盤は、キンギザのハードな部分をほとんど抜いて、暖かくまとめてる。
 作曲は全てステュ・マッケンジー。バンドと言うより、彼の趣味性が強く出たアルバムだ。


Track list
1 The River 10:10
2 Infinite Rise 10:10
3 God Is In The Rhythm 10:10
4 Lonely Steel Sheet Flyer 10:10

Personnel
Michael Cavanagh - drums, conga
Cook Craig - guitar
Ambrose Kenny-Smith - harmonica, vocals
Stu Mackenzie - vocals, guitar
Eric Moore - drums, percussion
Lucas Skinner - bass
Joey Walker - guitar, bass

Stu Mackenzie - recording (track 2), additional recording, mixing

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