TZ 7603:Derek Bailey/Jamaaladeen Tacuma/Calvin Weston "Mirakle"(2000)

 ファンキーなハーモロディクスに異物感あるエレキギターを載せた感じ。エンディングに一体で疾走する(3)が最高だ。


 リーダーシップや本盤の経緯が不明だ。アルバムとしてはこの顔ぶれで、本盤のみが残った。録音も99年11月29日の一日で終わっている。カルヴィン・ウェストンはプライム・タイムに参加。つまりタクーマとはオーネット・コールマン人脈だ。この二人がベイリーの胸を借りた格好か。
 本エントリの最後に幾つか動画を貼るが、このリズム隊でいろんなセッションの映像があった。

 根本のとこでグルーヴするリズム隊が本盤に親しみやすさと、剛腕の強度を作った。ベイリーはエレキギターで自由にフレーズを重ねるが、ときどき寄り添うような絡みが生まれて面白い。ベイリーはもともと意識的にハズしを弾いており、気が向いたら幾らでも併せられるはず。
 つい引っ張られてオンビートに鳴ってしまい、いかんいかんとフリーにずらしてく。そんなエレキギターの揺らぎを妄想してしまい、妙に面白かった。

 タクーマとウェストンは予想以上にジャストで心地よいグルーヴを提示した。ときどきベースが変な譜割を弾くこともある。それに合わせドラムも不定型なビートを出す。
 だがアルバム全体で見た場合は、恐ろしくダンサブルだ。しかも頼もしい。
 逆にソロ回しのイメージは無く、フロントは常にベイリー。ベイリーがたまに引いたときだけ、タクーマが前に出る形だ。このへん、ベイリーはブレない。

 7分~16分くらいの程々な長さで合計6曲。長尺でダレずに、うきうきと聴けた。もっともエンディングがぶつ切りで、唐突に終わる場面もあり。もしかして思い切り長尺のセッションを、摘まんで別曲に仕立てたのかも。

 粘っこく低音をリズミカルにばら撒き続けるベース、手数多く叩きのめすドラムのコンビは軽やかさと重厚さを両立させる頼もしさ。のびのびとベイリーはエレキギターをかきむしった。
 ギターの抽象性をリズム隊はグルーヴのノリと、フリーな譜割の双方を自在に使い分け受け止めた。すごく魅力的なアンサンブルだ。本盤1枚で終わったのが惜しい。

Personnel:
Derek Bailey: Guitar
Jamaaladeen Tacuma: Bass
Calvin Weston: Drums











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