TZ 8321:John Zorn "The Testament Of Solomon"(2014)

 ジョン・ゾーン仕切りの疑似バンド、Gnostic Trioの4作目。副題が"Music from the sefer Shirim Shel Shir Hashirim"だ。

Shir Hashirimとはヘブライ聖書の中の一篇"雅歌"を指す。seferはヘブライ語で本の意味とか。Shirim Shelが調べ切れなかった。何等か宗教性を感じる音楽だが。ジョン・ゾーンの女性カルテット作品、"Shir Hashirim"(2013)にも通じる音楽らしい。

全11曲、ハープとビブラフォンがレイヤーを作り、ギターがゆったりと紡ぐ。ソロ回しでなく、膜を重ねるように。緩やかなしっとりしたムードが心地良い。

アラブ風の旋法を基調としながら、楽曲ごとにアプローチが異なる。時にミニマル、時にポリフォニック、時にユニゾン。アイディアの宝庫だ。
比較的ギター/ビブラフォン/ハープの順で、アドリブの自由度が任されてるようだが、それこそ曲ごとに主役や目立ち具合が異なってる。

あえて長尺にせず、きっちりと曲を並べただけのことはある。バラエティ豊かなアレンジと作曲の精妙な味わいが素敵だ。
聴きこむほどに、新しい魅力に気づく傑作アルバム。

とにかく三人のタッチが美しい。生々しい弦やマレットさばきながら、音の粒が見事に華やかに揃ってる。着実なテクニックを踏まえ鮮やかに冷静で整いながら、ふくよかで奥深い世界を描き出した。

Personnel:
Carol Emanuel: Harp
Bill Frisell: Guitar
Kenny Wollesen: Vibes



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