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大文字 「Improg」(2003)

 それぞれが疾走による、構築美を魅せた即興ユニットの1st。

 きっかけは当時の戸川純バンド。歌の合間に演奏してたプログレ的なインプロ。これを別部隊としてバンド化した。メンバーは吉田達也(ds)、ホッピー神山(key)、ナスノミツル(b)。
 律儀な吉田らしく、一過性ではなく断続的だが継続して活動した。現在までに本盤を含む3枚のアルバムをリリースしている。
 さらに2016年には飛行機トラブルでライブに間に合わなかったホッピーの代役に、清水一登をブッキングした、SYNという派生ユニットまでCD化されている。

 本盤は仏Musea、日本はポセイドンから発売された。結成初ライブである02年1月5日に吉祥寺スターパインズカフェと、同年6月10日に渋谷ラママでのライブ音源から抜粋された。
 ぼくはたまたま、両方のライブを見に行っていた。それぞれの感想はこちら。
http://tel1400.zouri.jp/sound/live_020105.html
http://tel1400.zouri.jp/sound/live_020610.html

 後半2曲はミックスも吉田が担当。マスタリングを吉祥寺GOKの
 
 ライブを聴いてる時も構築度が高いと思ったが、アルバムで聴き直しても印象は変わらない。
 むやみに相手に併せず、特にホッピーが弾き倒した。時に吉田やナスノが応えると、まるで譜面であるかのように音像が疾走する。

 探り合いや斬り合いを避け、互いに音を聴きながらテンションを削がずに弾けるさまが痛快だ。
 吉田の高らかな叫び声も随所で聴ける。ホッピーもボイスで応酬あり。当日は歌ってたかな?たぶんダビング無しでCD化と思う。

 4拍子のパターンを注意深く避け、目まぐるしく叩きのめす吉田と、がっしり強固なグルーヴを保ち続けるナスノのベースが逞しい。
 そこへ奔放かつ骨太なシンセをホッピーが休むことなく注ぎ込んだ。

 個々の曲は15分~20分と長めのサイズで、気持ちの趣くままどんどんと展開させていった。
 前半2曲は力任せの体力勝負、後半2曲のほうは緩急を意識してドラマティックに膨らませた。シンフォニックさと楽曲っぽさは後半2曲で堪能できる。

 前半2曲のスリルも、よりアンサンブルを意識した後半2曲も聴きどころが一杯だ。粘っこくうねるシンセの野太さも勇ましくて良い。

 後半2曲で顕著だが、同じフレーズを巧みにホッピーが重ねて、合間にソロを入れる構成はまさに譜面っぽさが一杯だ。
 ドラムが鍵盤の譜割にパターンを合わせ、ベースがうねりながら小節感を強調する。そこへ滑らかなシンセのソロが浮かぶ。うーん、かっこいい。



Track list
1 Glimpse 14:29
2 Mongo Iian Bandits 22:04
3 Night Dust (Monosyllabic Sex) 19:12
4 Ombre Moned 21:26

Personnel:
Bass - ナスノミツル
Drums, Vocals [Vocal] - 吉田達也
Keyboards, Vocals [Vocal] - ホッピー神山

Recorded at Star Pine's Cafe (M-1, 2), Jan-5th, 2002
at Lamama (M-3, 4), Jun-10th, 2002
Mixed by 吉田達也 (M-3, 4) at Magaibutsu Studio, Tokyo
Mastered by 近藤祥昭 at Kojima recordings, Tokyo

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