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Killarmy 「Dirty Weaponry」(1998)

 コンセプト先行ゆえに縮小再生産ながら引き締まった仕上がりになった。

 ウータン・クランの傘下グループ、キラアーミーの2nd。(1)(9)をウータンの一派、マセマティクスが担当した以外は、メンバーでもある4thディサイプルズがトラック作りを担当した。
 ゲストはやはりウータンがらみのキラー・プリースト(Sunz of Man)とホロコースト (of Black Knights)が参加した。
 要するに身内で作ったアルバムなのだが、これがウータン好きにはばっちり楽しめるアルバム。

 キラアーミーは個人の個性発露よりも、きな臭いイメージを演出するユニットとしてコンセプトががっちり固まっている。本盤時点ではその路線を愚直に継承しており、逆にアルバムのサウンド・イメージが統一された。
 ほんのり煙って不穏、かつわずかにセンチメンタルなRZA仕込みの音像を、4thディサイプルズは丁寧になぞっている。かっちり淡々としたビートも含めて。

 新鮮味や個性は正直、少ないのだけれど。マイクリレーの勇ましさや荒々しいパワー、わさわさっとした群雄割拠ぶりは正にウータンの丁寧な模倣になった。
 ウータンは1stの超ヒットを受けてドンドンと個人が強く出て、RZAやGZAの統制も聴かなくなった。だからグループとしての色合いは保ちつつも、アルバムを重ねるにつれて大味さが次第に漂っていく。
 ウータンは2nd,3rdと聴き進めるにつれて、1stのひりひりした緊張感が恋しくなるのだが・・・その受け皿としてキラアーミーが見事に役割を担った。

 アルバムを一本調子と言うなかれ。4thディサイプルズのRZAイズムをしっかり消化して、きちんとウータン流のファンタジーを本盤で描いた。

 背伸びした不穏さを演出っぽさが強く出て、ラップしてるメンバーの個性はいまいち立っていない。歴史に残る名盤と持ち上げるつもりはないけれど。数あるウータンのチームの中で、かなりいい線行ってると思う。

 地に足の着いた自己表現でなく芝居みたいなものだから、実際にここから発展するのりしろは少ない。
 3年後の3rd"Fear, Love & War"で、キラアーミーは4thディサイプルズだけにトラックメイカーを頼らず、他のプロデューサーも立て、ゲストもあれこれ招く道を選んで煮詰まっていく。それも拡大して散漫になるラップの王道路線ではあるのだが、

 とはいえ本盤はまだ、ぎりぎり閉じた小宇宙を描いている。ウータンの不穏さを引き継いだ、カッコよさを味わえた。


Track list
1 Galactics 4:38
2 Allah Sees Everything 3:34
3 5 Stages Of Consciousness 4:37
4 Unite To Fight 2:03
5 Murder Venue 3:48
6 Doomsday 3:32
7 Red Dawn 3:48
8 The Shoot Out 2:23
9 Bastard Swordsman 4:20
10 Last Poet 3:28
11 Serving Justice 3:26
12 Where I Rest At 3:32
13 Pain 4:06

Personnel:
4th Disciple
9th Prince
Kinetic 9
Dom Pachino
Islord
Killa Sin
ShoGun Assasson

Guest:
Killah Priest (Sunz of Man)
Holocaust (Black Knights)

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