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Natas 「Life After Death」(1992)

 粘っこいテクノ感覚で、ドラッギーにうねった。

 デトロイト出身の3人組みラッパー、Natasのデビュー・アルバム。メンバーはEsham A. Smith, Mastamind, TNT。しかし2014年にTNTが自動車事故で他界し、16枚ほどのアルバムを残して本グループは解散した。

 メンバーのEshamが兄弟と一緒に地元でインディ・レーベルReel Life Productionsを立ち上げて、本盤をリリースした。このレーベルは現在もEshamの作品を中心にリリース活動を続けている。

 Wikiによると本盤を聴いた17歳の子供が、大麻をしながらロシアン・ルーレットで拳銃自殺という、妙なスキャンダルに巻き込まれた。しかし解散には追い込まれず、その後もコンスタントに活動を続けてる。
 レーベルとしては"At The End Of Time & Space"(2017)が最新アルバムのようだ。

 プリンスの"Let`s Go Crazy"をサンプリングした(1)で幕を開けた。その後も無造作にサンプリングのネタを使いながら、チープな感覚でアルバムは進む。
 妙に籠った音像が、シンセやスクラッチとぐしゃぐしゃ混ざって、不安定な空気を醸し出す。全く偶然ではあるが、前述のスキャンダルに似合うのかもしれない。

 各曲を数分にまとめ、スキットやジングルも無しで20曲を75分に納めた、豪快で盛りだくさんな構成だ。
 作曲、プログラム、録音、プロデュースのすべてをThe Unholy名義で行い、ほぼ一人で作られた。

 内省的なムードは抜けきらないが、曲調はあれこれ試してる。メンバー3人によるラップとサンプリングの掛け声を上手く組み合わせ、ファンクな雰囲気を描いた。
 プリンスの他にもP-FunKをサンプリングもしており、16ビートも使う一筋縄ではいかない小刻みなグルーヴをEshamは志向してる。

 ふくぉんと奥に深いエコー感が本盤全体を覆っている。
 籠ってると思うのは、単純にインディゆえの機材による制限かもしれないな。きっちりメジャーの環境で豪華に録音したら表情変わるのかもしれない。

 声は素直に取らず、フィルター加工して回転数を上げた感じ。これで不安定さを演出してる。
 病んだムードはあまり前面に出さず。アレンジと声質で空気を構成した。ラップは比較的ジャスト。むやみな早口でまくしたてはせず、小気味よいラップでリズムを揺らさない。

 "Godlike"(2002)以外に目立ったヒットはないようだが、Natasはアシッド・ラップとカテゴライズされ、ラップ界での存在感はあるらしい。その一人にエミネムも影響を受けたとある。へえ、そうなんだ。


Track list
1 Life After Death
2 Did It Like That
3 Dance
4 Toss-Up
5 Bitch Stop Lyin'
6 Bad Guys Never Lose
7 1 Time 4 Yo Mind
8 Get My Head Together
9 Hell Raiser
10 Bitches On My Mind
11 Mysterious Ways
12 Rock It Deadly
13 Who Am I
14 Spend My Last On A Hoe
15 Bitch U Can't Have Me
16 Home Of The Brave
17 Dirty Mind
18 I Ain't Got Shit 2 Lose
19 In The Name Of RLP
20 Dancin' On Ya Grave

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