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B.J. Thomas 「Love Shines」(1983)

 マニア向けだが、溌剌とした歌が楽しめる好盤。

 B.J.トーマスがゴスペル歌手時代に出したアルバム。なおかつカントリー風味。キリスト教徒でなく、アメリカ文化に親しみが無いと取っつきづらい方向性ではあるけれど。
 出来は予想以上に一般的だ。

 トーマスはCBSからコロンビアへ移籍して"New Looks"(1983)を発表。間を置かず同年に傘下のPriorityレーベル名より本盤を発売した。このあと"Night Life"(1986)まで、コロンビアで矢継ぎ早にアルバムを数枚残している。
 
 冒頭から温い雰囲気にハーモニカが鳴る素朴な響きが始まって構えてしまうし、中にはB4のごとく思い切り叙情に流れた曲もある。
 だが本盤に収録曲はメロディがきれいでなおかつ雄大、のびのびと喉を振るわせるトーマスの歌声をほのぼのと味わえる。
 
 83年の盤とは思えぬ、アコースティックなアレンジ。やはりカントリーやゴスペルの分野はテクノや打ち込みとは無縁の人力なアプローチがまだ生きていたらしい。
 分厚いハーモニーで歌を支える一方で、弦や管もあるが、どちらかと言えばコンボ編成のアンサンブルを生かしたアレンジは、普遍的な魅力を持っている。

 毒やスリルとは無縁である。熱狂よりも保守的な世界で、しかし明るく生き生きした歌声が心地よい。たとえばA4やA5、B3はAORな風味で素直に楽しめるはず。
 基本的に白人カントリーなアプローチで、のびのびしてるがファンキーさは希薄。しかしB5ではソウルフルなドライブ感があってカッコよかった。

 この路線で数曲増やして、センチメンタルな曲を抜いたらポップ色が強まり、普遍性が増しただろう。
 それではカントリー・ゴスペルではなくなり、本末転倒のないものねだりというものだが。

Track list
A1 Love Shines 3:04
A2 He's Got Religion 3:27
A3 Best Friend 3:26
A4 Born To Fly 3:37
A5 They See God There 2:57
B1 He's Coming Back In A Blaze Of Glory 2:53
B2 Teach Me To See 3:32
B3 Pray For Me 3:18
B4 That's What's Wrong With The World Today 3:11
B5 Let's All Go Down To The River 2:39

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