TZ 7042:Mark De Gli Antoni "Horse Tricks"(1999)

 元ソウル・コフィングのアントーニがTzadikから発売、今まで唯一のアルバム。
 全17曲中、(17)の8分越えを除けば1~3分の小品ばかり。洗練とは逆ベクトル、奔放にサンプラーで遊んでる楽しい様子が伝わる。鍵盤中心の音像は、どことなくミニマルで調子はずれ。先進性より実験集の趣きだ。



ひしゃげたヒップホップ感が売りのソウル・コフィングが3rd"El Oso"(1998)発売のあと、ソロとして本盤は発売された。バンドからはM. DoughtyとYuval Gabayが参加。多分この時点でバンドは解散してる。新録かバンド時代のアウトテイクかはよくわからない。
 ソウル・コフィングは94年デビュー。G Loveあたりと同じくくりでぼくは聴いていた。一番聴いたのが1stかな。3rdまでは追ったが、4thのベスト盤は今回初めて存在を知った。

【Soul Coughing Discography:Original Album】
Ruby Vroom(1994)
Irresistible Bliss(1996)
El Oso(1998)
Lust in Phaze(2002)

 "Horse Tricks"はソウル・コフィング以上にとっ散らかったサイケな出来。バンドのグルーヴ感覚は希薄で、サンプラーを軸に脱力テクノを繰り広げ、さらにミュージシャンらが音を足した感じ。アンサンブルや即興性のダイナミズムはほぼ無くで、むしろデモテープ集を聴いてるかのよう。音質が少し籠り気味なせいもある。
 電子音楽やビートはあまり興味無く、コラージュめいた断続と浮遊が彼の興味だろうか。Tzadikで"Compoer"シリーズに所収もむべなるかな。変人枠の"Lunatic Fringe"には物足りぬ、煮え切らない中途半端さがあり。

 ソロアルバムを、本アルバムにアントーニは発表していない。その後の彼は、彼のWeb見ると作曲家として活動を続けてるようだ。

近年では映画"Plimpton!"(2012)の作曲を担当。米ジャーナリスト/作家George Plimptonを描いた作品で、トレイラーを見ると古めかしいアメリカ音楽のメロディが聴こえてくる。



Personnel:
Mark Degli Antoni:Sampler
M. Doughty: Keyboard
Yuval Gabay: Drums
Joe Bini: Vocals
Anthony Coleman: Keyboard
Elliot Smith: Vocals, Piano
Alan & Mimi Sparhawk: Vocals
Sebastian Steinberg: Bass

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