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Okkyung Lee & Christian Marclay 「Amalgam」(2016)

 アナログ同士のはずなのに。デジタルな硬質さを持つノイズ。

 韓国の前衛チェロ奏者、Okkyung Leeがクリスチャン・マークレーとロンドンのCafé Otoで14年4月25日に行ったライブ音源をアルバム化した。と言っても観客の拍手などは無く、約36分一本勝負だ。
 なおミックスとマスタリングはJazkamerなどで活躍するノルウェーのノイジシャン、ラッセル・マーハウグが担当した。

 まずOkkyung Leeの鋭いチェロが興味を惹く。特殊奏法にも聴こえないが、鋭いボウイングで音程やメロディと無縁のかきむしるノイズを出した。騒音装置としてチェロを操り、情感を削ぎ落したクールな音を次々に出す。

 マークレーもターンテーブルから電気的なノイズを抽出。二人とも電子楽器みたいな音を操り、聴こえる音は無機質にして抽象的な世界が描かれた。
 涼し気な疾走感と、味わいを削ぎ落した尖った風景がスリリング。全編即興で、つかみどころ無く安定を拒否するスピードがかっこいい。

 ライブ音源からまるごとワンブロック抽出に聴こえるけれど、かなり摘まんでてもおかしくない。ときおり起伏が産まれつつも、基本的には盛り上がりや起承転結は無い。
 ただノイズが産まれ、絡んでは沈む。ある程度は互いの見せ場を意識しながら演奏してるっぽい。
 とはいえOkkyung Leeのチェロは、どこまで生演奏か分からぬ場面もちらほら。マークレーが不透明な音像で迫るため、スクラッチ的な操りをターンテーブルで操ってる風にも聴こえる。

 基本的にはマークレーが音を出す中、あまり寄り添わずにOkkyung Leeがチェロを掻き毟る構造のようだ。
 淡々と乾いてはいるけれど、デカい音で集中しながら聴くと刺激的だ。

Track list
1 Amalgam 36:20

Personnel:
Cello – Okkyung Lee
Turntables – Christian Marclay
Mixed By, Mastered By – Lasse Marhaug
Recorded By – Jonathan McHugh
Recorded live at Café Oto April 25th, 2014

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