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Fats Domino 「Best Of」(2018)

 コンパクトで音圧が強い、お手軽なベスト盤。

 ファッツ・ドミノが他界は2017年。えらくご長寿なイメージあったが、それでも89歳。大往生ながらも、驚異的なお歳ではない。50年代のR&Bはグッと昔って印象ながら、さほどでもないのかね。なおデビューは21歳のとき。

 オールディーズは著作権切れなのと、どうせならあれもこれも聴いたほうがお得だろうって発想で、やたら収録時間がべらぼうに長くなる。
 いきなり全100曲とか、CD4枚組とか。研究者でもマゾヒズムでもなければ、敷居が高い。

 とりあえず、ヒット曲。大どころが聴ければいいのだが・・・と検索してたら、ちょうどいいタイトルが本盤だった。全16曲で35分。この程度で良いのよ、入門盤は。
 選曲はさほど凝ってないが、"Blueberry Hill"やら"Ain't That a Shame"があればいい。他に色々聴きたければ、マニアックなタイトルはいくらでも出てるんだ。

 Youtubeやサブスクで、何を聴いてもかかる費用が変わらなくなった現在になって、ようやく費用対効果に構えることが無くなった。聴きたいものを聴きたいときに聴きたいだけ聴けばいいのよ。

 ということで、聴いてみたファッツ・ドミノ。有名曲くらいは耳にしたことあるが、じっくりまとめて聴いたことなかった。
 そもそも彼は、後追いだと掴みづらい。ニューオーリンズ、R&Bもしくはロック、どちらの始祖としても、メジャー過ぎて手に取るのは躊躇いあり。マニアックなものに価値を見出してしまう弊害だ。

 聴いてて思うのは、金太郎飴なところ。価値観として、毎曲で斬新な新規路線ではなく、同じパターンを手を変え品を変え表現を良しとしてた。
 二番煎じを意識もあったろうが、根本はダンス・ミュージックだからではないか。当時の文化は知らないけれど、ライブでもお行儀よく座って聴いてたとも思えない。ジューク・ボックスで聴くならば、同じような質感やアレンジのほうが続けて流して違和感なかったろう。

 ディスコグラフィーを見ると、デビューの"Detroit City Blues"(1950)がR&Bで2位のヒット。25枚目のシングルにして"Ain't That a Shame"(1955)が全米チャート16位を獲得する。
 苦節もしくはR&B分野で5年の下積みがあった。

 本盤に収録曲はほぼ、それ以降。50年代後半のシングル曲を並べてる。曲がりなりにもファッツが全米チャートに送り込み続けた曲ばかり。

 本盤のありがたいのは、音圧が分厚いところ。きっちりリマスターしてるらしい。
 2018年7月の発売表示で、レーベルはBrownsville、著作権表示はWnts。詳細は不明だ。
 どうせ盤起こしだろうけど、ノイズをぶった切って音圧上げて。オリジナルのパンチ力を、今の環境でも違和感なく使用って気概が感じられた。
 
 弾むニューオリンズ風味のR&Bを愚直にファッツは次々歌う。時にストリングスなどかぶせ、甘いアレンジに閉口もするけれど。"Ain't That a Shame"で聴ける、数音のメロディで力強く胸を弾ませる魅力は今も色あせていない。
 その"Ain't That a Shame"を軸に、いろんなバリエーションを産み続けたブルーズとR&Bのしたたかさを、コンパクトに味わえた。

 さあ、これを手掛かりに深い沼へ行くも良し。ファッツは音源を、かなり残している。


Track list
1.Blueberry Hill 2:23
2.I'm Walkin' 2:08
3.Whole Lotta Loving 1:39
4.Rosalie 2:11
5.Poor Me 2:20
6.Walking to New Orleans 2:01
7.My Girl Josephine 2:06
8.All by Myself 2:24
9.Fat Man 2:36
10.Ain't That a Shame 2:29
11.Let the Four Winds Blow 2:20
12.I'm in Love Again 1:57
13.Blue Monday 2:19
14.Be My Guest 2:16
15.Valley of Tears 1:52
16.I Want to Walk You Home 2:21

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