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Splash(1998)【Prince未発表曲】

 シンプルだが曲は途中で表情を明確に変えた。

 これは未発表曲ではない。ネットで自主リリースを模索してたNPG Music Club時代に配信された曲。01年2月の"NPGMC Edition # 1"で括られる。
 この時代の楽曲は公式リリースで聴きやすくならないものかな。
 
 もとの録音は1985年まで遡るという。"Around The World In A Day"(1985)頃の作品。レボリューションズとの録音らしい。
 とはいえどこまで、オリジナル・テイクが生かされてるのだろう。音の感触は軽く、バンド・サウンドというよりプリンスの多重録音っぽくもある。
 
 レゲエ風に弾むリズムだが、素直なバック・ビートではない。裏拍を強調しつつ、細かく八分音符で跳ねる。
 しゃくるようなノリの演奏に、リサ&ウェンディのハーモニーが乗る。ギターと鍵盤は彼女らの可能性もあるらしい。シンセが彼女、弾むピアノがプリンスかも。
 中盤でがらりムードを変えた。ミックスの関係もあるが、低音はあまり強調せず高音のキラキラした雰囲気は統一しつつ、前半はリズミカルで後半はサイケなムードを演出した。

 裏声でしなやかに歌うプリンスのボーカルは女性ハーモニーを帯同して、なまめかしく進んでいく。したたかで一筋縄ではいかない。
 サビのフレーズも唐突であっさり。キャッチーなのにむやみに強調せず、平歌と同じ地平で広がるところが何とももったいない。宝の上をそのまま進んでいくかのよう。

 この曲はアイディアを煮詰めず、デモ的に終わった印象だ。演奏そのものはデモというには練られてるけど。
 次々と新しい曲が溢れる中、とりあえず作って終わりにしたって感じ。中盤以降で広がりある展開に向かうのも、いじくり回したというより奔放なアイディアをとにかく詰め込んだって荒っぽさが近い。

 改めて一から録音し直したのだろうか。コーラスだけを生かして。とにかくプリンスはお蔵入りにはせず、配信でいったんは世に発表した。それだけの価値がある曲、とは位置付けていた。
 でも結局、音盤にはしなかった。そんな微妙な位置づけの曲。とはいえ、改めて聴くと興味深い。するすると流れるレゲエ風ファンクな展開は、埋もれさすには惜しい。近いうちに、配信できちんと公式に聴ける日を待とう。

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