TZ 7374:John Zorn "Alhambra love songs"(2009)

 タイトルのAlhambraとはスペインの地名、だと思う。アルハンブラ宮殿アランブラと日本語で呼称される場所、スペルは同一だがそれぞれ場所が違う。知らなかった。とはいえ本盤のタイトルは「アラバマ・ラブ・ソングス」と間違えてしまう。どっか南部アメリカっぽいし。


 ジョン・ゾーン流のラウンジ・ピアノトリオ。流麗でミニマルなムードが硬質なリラックスを誘う。Tzadikの宣伝文句からして「イージーリスニング」と歌うが、今一つゾーンの意図が分からない。
 しかしTZADIKのアオリはゾーンが監修してないんだろうか。なりふり構わぬ売り文句が書かれてるときある。本盤もそう。Vince Guaraldi、Ahmad Jamal、Henry Manciniまでは良い。音楽ファンへ興味持たせる人選だ。だけど「ジョージ・ウィントンのファンにすらアピールするかも!」と続くか。ウィンストンのファンがTZADIKを聴くと思えないので、強烈なジョークだろうけど。

 後述のように楽曲ごとにさまざまな人へ捧げられた。共通性も見いだせず。何らかの尖った人たち、ってことか。曲ごとに微妙な音楽性の違いあるが、何らかのオマージュなり素材が織り込まれてるかは分からない。

 いわゆるジャズ・トリオだが、意外と隅々までコントロールされている。テリー・ライリーに捧げた(9)は文字通りミニマルな展開。クリント・イーストウッドに捧げられた(5)はウェスタン風の勇ましいメロディがきっちりとアレンジされた。(7)はたぶん絵本作家のElissa Guestと思うが、確かにロマンティックな展開。(8)は打楽器奏者の事ならば、リズミカルで強いタッチのピアノも頷ける。

 と言う風に、なんとなく捧げられた人と音楽の一貫性も感じられた。多分全員がユダヤ人。ユダヤ人で各分野で尖った成果を残した人たちってこと?
 やはり何らかの共通性がゾーンの中であり、それぞれ標題音楽と思う。もっともなぜ、アルハンブラをタイトルに関したかは分からない。
 聴きやすい音楽なわりに、真意をつかみづらい盤だ。繰り返し聴くのは苦じゃない音楽性な盤のため、そのうち何かに気づくかもしれない。

 曲ごとに弾き分ける3人のテクニックが素晴らしい。破綻無く静かなファンキーさに満ちている。

Tracklist
1.Mountain View (For Vince Guaraldi)米ジャズピアニスト
2.Novato (For Mike Patton) 米ロックシンガー、TZADIKではお馴染み。
3.Pacifica (For Harry Smith) 米音楽アンソロジスト、前衛映画家
4.Benicia (For Paul Canales) 不明
5.Half Moon Bay (For Lyn Hejinian) 米詩人、出版者
6.Moraga (For Clint Eastwood) 米映画監督、俳優
7.Tamalpais (For Elissa Guest) 米絵本作家(?)
8.Larkspur (For Willie Winant) 米打楽器奏者(?)
9.Alhambra Blues (For Mo Siegel) お茶の企業Celestial Seasonings創始者(?)
10.Miramar (For Terry Riley) 米現代音楽家
11.Tiburon (For David Lynch) 米映画監督

Personnel:
Rob Burger: Piano
Greg Cohen: Bass
Ben Perowsky: Drums


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