TZ 7729:Suphala "Alien Ancestry"(2013)

 インドのタブラ女性奏者Suphalaのソロ。比較的西洋音楽、もしくはトランス寄りな感じだ。ビル・ラズウェルのリミックス(9)も収録した。彼女はAlla RakhaZakir Hussainに師事して古典インド音楽も学びつつ、西洋ポピュラー音楽にも触れてきたそう。



 本盤では様々なアレンジでタブラを叩く趣向。エレクトリック・バイオリンが幻想的に響くメカニカルな(2)や(3)にまず惹かれる。
 中東どっぷりの(4)や(5)でエキゾティックなムードを味わい、ピアノとの異化効果ある(6)からパーカッション・バトルの(7)へ。さらに(8)や(9)でエレクトロニカな風景を増し、フロア対応のテクノやダンサブルさに心躍らせる、の構成を取った。

 本来ならもっと刺激的なはずなのに。しかし日本人には、ひどく変な気分だ。インドのタブラと西洋音楽のミクスチャーって、凄く親しみやすい。なぜこんなに耳馴染む音像かと思ったら。
 日本では吉見征樹が、次にU-zhaanがこの手のジャンルを猛烈かつ強力に開拓し普及済なためだ。逆に吉見ほどダイナミックな過激さやパワーは彼女に無い。正直なとこ衝撃より、おっとりとタブラを鳴らす整った音像だ。
 したがってMASARAやSTOYやARABINDIAやWAWAWAWAにNADAにSpanish Connectionに彼岸の此岸に・・・ああ、きりがない。吉見征樹の強烈さを逆説的に意識した盤だった。

 すっかり本項の趣旨が変わったが。冷静なビートでタブラを刻み、アラブと西洋両方の世界観を自在に動くって意味では悪くない盤だ。

Personnel:
Suphala: Tabla, All Other Sounds(2,3)
Bill Laswell: Alien Translation (9)
Jose James: Vocals (1)
Mazz Swift: Violin (2,3)
Hadi Eldebek: Oud (3)
Kinan Azmeh: Clarinet (4,5)
Amir Elsaffar: Trumpet (4,5)
John Hadfield: Cajon(4,7), Garhand (5)
Matt Kilmer: Frame Drum (4,5,7)
Vijay Iyer: Piano(6), Remix(8)


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