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Mal Waldron 「Blues for Lady Day」(1972)

 暖かくブルージーなノリが心地よいピアノ・ソロ。

 マル・ウォルドロンは当時、複数のレーベルを同時進行で渡り歩いており、この時期に"Tokyo Reverie"(1970),"The Opening"(1970),"Signals"(1971),"Blues for Lady Day"(1972)【本盤】,"Jazz a Confronto 19"(1972),"on Steinway"(1972),"Meditations"(1972)と、さまざまなアルバムを残した。 
 同時進行でセッション物もいっぱいあり。69~72年がマルの録音量でいうとピークだった。80年代後半にも、次々リリースした時期がもう一度訪れるけれど。

 本盤は72年にオランダにて録音。WikiだとFreedom原盤だが、DiscogsではBlack Lion原盤になっている。プロデュースはBlack LionのAlan Batesなので、Discogsの記載が正しいの?

 本盤ではジャズクラブの片隅でひっそり聴くのが似合う、ロマンティックでブルージーな楽曲がいっぱい。オリジナルはA1のみ、あとはすべてスタンダードを並べた。
 ここまでベタな選曲だと、むしろマルの意向ではなくレーベル側が「甘めのジャズを」ってオーダーした風にも感じるな。

 マルは粘っこく跳ねる強力な左手と、絞り出すようなフレージングで転がす右手を駆使して、破綻の無い演奏を披露した。
 実験要素は少なくて、期待から逸れない着実なピアノだ。雄大かつ胸焦がす情感を香らせるプレイは、貫禄を漂わせる。

 この方向性を否定はしたくない。マルのオリジナリティが奔出とは言わない。でも鍵盤のタッチは彼の流儀だ。過去と違った方向や実験性がすべてではない。
 左手の頼もしさが、鍵。自らの色をしっかり作り、それでいて期待を満足させるエンターテイナーぶりを、○は本盤で魅せた。


Track list
A1 Blues For Lady Day 3:52
A2 Just Friends 4:10
A3 Don't Blame Me 3:22
A4 You Don't Know What Love Is 5:43
B1 The Man I Love 3:05
B2 You're My Thrill 3:43
B3 Strange Fruit 2:51
B4 Easy Living 4:50
B5 Mean To Me 3:09

Personnel:
Piano - Mal Waldron
Producer - Alan Bates

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