TZ 7706:Carla Kihlstedt

 サンフランシスコの室内楽バンドTin HatのメンバーでもあるCarla Kihlstedtが、バイオリンを中心に様々な弦楽器を奏でたTZADIKデビュー作。本盤ではクラシックよりバスキング風のアプローチが目立つ。



 彼女はTzadik観点だと、他の盤にも色々ゲスト参加している。でもソロ名義だと今のところ本作のみ。あとはSarajevo Bluesの(元)メンバーとして"Charming Hostess"(2004)や、藤井郷子とのデュオMinamo"Kuroi Kawa~Black River"(2009)をTzadikから出している。

 本盤の楽曲は1曲を除き彼女の作曲で、アレンジは本盤のタイトル2 Foot Yard名義だ。ソロだがバンド扱いってことだろうか。確かに素朴なカントリー風のドラムに、ゆったりしたオブリを入れるチェロは本盤で存在感を出している。
 とはいえアルバムの印象を引っ張るのはカーラのバイオリンであり、トラッド風の歌であり多重録音のさまざまな弦楽器だ。

 なおカバーした(10)はゴスペル曲。たぶんテネシー出身のF.W. McGee師が1928年頃に書いた曲。(18)はKenneth Patchenの詞に歌を付けた。パッチェンはオハイオ出身の20世紀中ごろに活躍した作家らしい。

 アコースティックを基調だが、曲によってはエレキや前衛な響きも。数曲を除きどれも短く、全20曲収録した。ジョン・ゾーンのファイルカードほどめまぐるしくは無いが、バラエティ豊かに五目味に仕立てた。奔放な音楽性を詰め込みつつ、古きアメリカ文化を見つめたかの印象だ。
 テクニックやアドリブ展開に走らず、作曲家寄りに立っている。スリリングな曲とのどかな風景が混在する混沌を、トータル・アルバムとして楽しむべきかもしれない。
 歌詞の意味をつかまぬまま聴いてるが、詩を知ったら評価が変わるかも。

Personnel:
Carla Kihlstedt: Violin, Trumpet Violin, Viola, Zither, Bass Harmonica, Accordion, Melodica, Voice, Breath
Marika Hughes: Cello
Shahzad Ismaily: Drums, Cajon, Acoustic Guitar, Percussion

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