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The Nels Cline Singers 「The Giant Pin」(2004)

 ポスト・ロック寄りの前衛インプロがばらまかれた。

 ネルス・クライン・シンガーズ名義では"Instrumentals"(2002)に続く2年ぶり2作目。このバンドでは他に、"Draw Breath"(2007),"Initiate"(2010),"The Celestial Septet"(2010),"Macroscope"(2014)と、コンスタントに作品を発表している。
   
 ジャズの文脈を感じないアルバムだ。ベースのデヴィン・ホフが前に出ると、若干のスイング感はあるけれど、全体的にはカラッとまっすぐなスタイル。
 ドラムにベースにギターのトリオ編成ながら、ビートは希薄で明瞭な雰囲気を持つ。

 (1)こそギター・トリオっぽい風情だし、(2)も小粋さを奥に秘めたグルーヴで丁々発止が行われた。
 しかしアルバムが進むにつれて音楽性は拡大していく。
 ネルス・クラインは曲ごとにスタイルを変え、アグレッシブなエレキギターからノイズ奔出まで多彩に表現した。
 トリオのセッションってよりも、クラインのアイディアを楽曲ごとに作り上げた印象。
 全11曲はバリエーションではなく、オムニバスのようだ。
 すっきり分かりやすく、直感的にカッコよさを感じるアルバム。作曲は基本的にクラインによる。(5)のみ三人のクレジットなため、ジャム・セッションということか。

 ドラムの影がいささか薄い。主役であるクラインが奔放にギターを弾き、ホフがスペースを確保したとたん、ベースで場の見せ場をかっさらっていく。
 前のめりの曲もあるが終盤2曲が抑えめのために、アルバム全体で言うと静かなイメージあり。

 繰り返し聴いて音使いの妙味を楽しみたい。爆音で聴いたほうが、この盤の魅力を直観的に感じられる。

Track list
1 Blues, Too 3:13
2 Fly Fly 7:02
3 He Still Carries A Torch For Her 6:38
4 The Ballad Of Devin Hoff 7:47
5 The Friar 1:13
6 Something About David H. 10:08
7 Bright Moon 11:01
8 A Boy Needs A Door 4:11
9 Square King 5:23
10 Spell 9:18
11 Watch Over Us 6:25

Personnel:
Electric Guitars, Effects - Nels Cline
Contrabass - Devin Hoff
Drumset, Percussion, Live Electronics, Loops, Treatments, Electric Mbira - Scott Amendola

Jon Brion - keyboards on 6,11
Greg Saunier - voice on 3

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