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Shockabilly 「Earth vs. Shockabilly」(1983)

 実はプロの仕事と感じた、ショッカビリーの1stフル・アルバム。

 クレイマーは若くして成功というか、ひとかどの時代を築いた。初期作品はジャンキーでスカムなパンク寄りの盤と思っていたが。改めて聴き直すと確かな技術に裏打ちされた活動だと感じた。いや、ジャンキーで投げっぱなしな点もあるのだけれど。

 本盤はユージン・チャドボーンにデビッド・リクトとトリオで組んだバンド。それぞれ20代半ば前後の作品である。
 ロック、特にパンクは初期衝動そのままに、デタラメな破壊志向で炸裂させるとこもあるけれど。本盤はかなり演奏が上手い。荒っぽくてサイケな風味がふんだんにあるけれど、確かなテクニックで安定してる。昔に聴いたときは、分からなかなったな。

 録音場所は分からないけれど、プロデュースとエンジニアは既にクレイマーが初めて自分で行った。
 演奏は伊達や酔狂でできたとしても、製作のほうはそうはいかない。きちんとかどうかは知らないが、少なくとも作品まで作り込める手腕をクレイマーは獲得していた。

 ロックやカントリーのカバーを、サイケな風味でロカビリーやパンクに解釈がショッカビリーのテーマだ。酩酊気分で投げやりかつ雑に放り出した風情だし、録音の音色も荒っぽい。
 しかしこれは低予算な一方で、クレイマーの計算や好みもあったのだろう。

 ビートルズ、ストーンズ、ドアーズ、ジミヘン、などなど。耳馴染みある曲にまじって、チャドボーンの曲をたて続けに演奏した。
 本盤は万人に薦められないが、一通りクレイマーの作品を聴いたあと、冷静な耳で聴き返したら思いのほか楽しめた。

 ラフ・トレードから最初に出た時は11曲入り。のちにシミーでリイシューの際は、曲順が変わり4曲のボートラ入りとなった。
 昔は入手困難だったが、今は配信で容易に聴ける。クレイマーが08年にリマスターしており、いくぶん抜けが良くなった。


Track list
A1 Day Tripper
A2 Are You Experienced
A3 Burma Shave
A4 City Of Corruption
A5 Bluegrass Breakdown
A6 Party House Pt. III In 3-D
A7 People Are Strange
A8 Psychadelic Basement
B1 Purple Haze
B2 19th Nervous Breakdown
B3 Tennessee Flat Top Box
B4 Oh Yoko
B5 Big Money Broad
B6 Wrestling Woman
B7 Outro

Personnel:
Eugene Chadbourne – vocals, electric guitar
Kramer – vocals, organ, tape, production, engineering
David Licht – percussion

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