TZ 7089:Marc Ribot "Scelsi Morning"(2003)

 Tzadikでは馴染のギタリスト、マーク・リボーのソロ名義の本作は、二種類の目的向音源を集めたアルバム。ギター独奏よりもアンサンブル音源の位置づけか。録音は00年、数年後にようやくリリースされたかたち。
 前半6曲はWim Vandekeybus率いる舞踏集団Ultima Vezの公演"Inasmuch As Life Is Borrowed"(2000)用。後半4曲はNYSCA委嘱の"The school of Hard Knocks"(2012)用。後者は中馬芳子の舞踏作品"Reverse Psychology"が実作品名で、あとで渋谷La Mamaでも公演打ったらしい。


 タイトルの"Scelsi"の意味が分からない。翻訳ソフトかけても邦訳が見つからず。
 膨大なアルバム参加を誇るリボーだが、Tzadikでもたくさんのアルバムに参加した。自己名義かつ自己企画なら以下のはずだから、3rdにあたる。
("Asmodeus: Book of Angels Volume 7"(2007)のように企画盤でがっつり自己ユニット、みたいな盤までリボーは本レーベルに録音のため。あーややこしい)

1997:Shoe String Symphonettes(Filmworks I)
1999:Yo! I Killed Your God (with Shrek)
2003:Scelsi Morning 【本盤】
2003:Filmworks II
2008:Exercises in Futility

 (1)~(6)の前半部分はリボーの完全ギターソロは小作品の1曲のみ。アンサンブルを全面に出した。聴きづらくは無いが、どっか螺子の外れた変てこなところが特徴だ。他のメンバーにもふんだんに見せ場を与えつつ即興では無く、かっちり作曲されている。
 (7)~(10)の後半は全てアンサンブル。ドラムとエレキギターを固定し、楽曲ごとに弦やオルガンが加わる。こちらの方がパンキッシュでハードな印象だ。こちらのほうが、ギターがいっぱい聴ける。
 どちらの作品にも共通するのが、一定のリズム・キープをさほど気にしてないところ。ダンス用音楽とはいえ、抽象的な現代舞踊なのか。
 
 本盤のリーフレットに楽譜有り。タイトルは"Air"と読み取れ、本盤収録曲とは違う譜面?いずれにせよコード進行と簡単な譜割以外に、びっしりと演奏指示の書かれた譜面だ。フレーズそのものはシンプルだがニュアンスで詰めてくかのよう。
 リボーは芯をエレキギターで押さえつつも、バイオリンやクラリネット、パーカッションへたっぷりとソロのスペースを与えた。硬質な勇ましさ。穏やかだが一筋縄ではいかない。

Personnel:
Marc Ribot: Guitar
Christine Bard: Percussion, Drums
Anthony Coleman: Piano, Organ, Trombone, Sampler
Jill Jaffe: Violin, Viola
Francois Lardeau: Instrument
Ted Reichman: Pump Organ, Accordion
Roberto Rodriguez: Percussion, Drums
Ned Rothenberg: Clarinet, Bass Clarinet
Eddie Sperry: Sampler
Rob Thomas: Violin, Bass
Chris Wood: Bass

関連記事

コメント

非公開コメント