TZ 8125:Daniel Zamir "I Believe"(2008)

 クレツマー風味の穏やかなジャズ・コンボ。ちょっと頼りなくピッチの揺れる、黄土色の音色なソプラノ・サックスがフロントだ。リズム隊はMasada組でピアノはユリ・ケインと盤石の編成を構え、ゆっくりと渋く演奏した。


 リーダーのダニエル・ザミールはイスラエルのペタク・チクヴァ生まれ。イスラエルとニューヨーク、双方で活動してるみたい。
 TZADIKで発表の盤は本盤を含めて4枚か。
2000:"Satlah"、
2001:"Exodus"
2002:"Children Of Israel"
2008 "I Believe" 【本盤】
 他のレーベルでも数枚くらいの寡作なリリースだ。ライブ活動は検索しても見つからず、良くわからない。

 収録曲はオリジナルの他にトラッドが2曲、Rabbi Shneor Zalmanの曲が1曲。この人だろうか。 Modzitz Chassisdimの曲が1曲。この人は良くわからない。
 一曲だけ10分越えがあるが、あとは3~8分の比較的短いまとめで、全10曲とバラエティを狙った仕上がりだ。Satlah時代は「聴き手へ先入観を与えたくない」と曲名はナンバリングだけが主だったが、本盤ではどれも曲名をつけている。
 
 サウンドはオーソドックスなクレツマー・ジャズだが、ユリ・ケインがときたまざらついたフリーな展開にも行った。サックスは時に循環呼吸で長いフレーズを忙しく吹き鳴らす。しかし本盤全体では不思議と性急な感じはしない。どこか切ないゆとりを漂わせた。ときどき不協和音風にコードからアウトする旋律使いが、神秘的なムードを演出する。

 リズム隊のがっちりした演奏によるグルーヴは、独特の涼やかさだ。ファンキーに走らず、欧州風のクールさでもない。じわじわっと煮えてくしぶといノリだ。Masadaよりも性急さを控え、整った立ち位置寄りか。とはいえ(9)で実にファンキーな盛り上がり。一番聴きやすいのは、この曲かも。

Personnel:
Daniel Zamir: Soprano Saxophone
Joey Baron: Drums
Uri Caine: Piano
Greg Cohen: Bass



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