TZ 8176: Alvin Curran "Shofar Rags"(2013)

角笛の可能性に痺れる、エレクトロニカ風味のサウンドだ。
アルバン・カランは1938年生まれ、今年77歳の大ベテランだ。1966年結成のMEV(ムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァ)のメンバーでもあり、当時も本盤もイタリアで活動している。




Wikiによると74年頃から録音が有るらしい。TZADIKには本盤が4枚目となる。
冒頭から角笛の多重録音でリバーブたっぷりまぶし、鳥より獣の咆哮みたいに野生感ある音像を作った。素朴な角笛から倍音を軋ませ、高音を絞り出す。決して力任せではない。ダイナミックながら繊細なコントロールゆえのきめ細かな響きだ。
(2)での電子音やサンプラーを混ぜながらも、幾本もの角笛が轟くパワーが美しい。抽象的なビートと角笛の生々しいうねりが寄り添い、粛然と沸き立つ。

本盤は共演者としてアコーディオンとパーカッション、ソプラノ・クラリネットといくぶん変則的なアンサンブルを整えた。例えば(4)。とっ散らかった抽象性を見せる。
あからさまなバンド・アレンジでは無く、角笛多重録音の彩りと補強に他のメンバーの音を重ねた。

打ち込みビートのメカニカルで変拍子の電子音楽と、素朴でアナログな角笛の響きの奇妙な親和性が本盤の特徴だ。
膨大な多重録音な角笛の嵐が産み出す酩酊さ。ブレスの音をノイズめいた仕上がりに利用するしたたかさ。メロディとは言えぬ数音の響きが織りなすミニマルさ。

ひょろっと角笛吹いて終わりじゃない。多数の折り重なりと電子楽器を重ねて複雑精妙な幻想的な音楽を作り上げた。

Personnel:
Alvin Curran: Shofar, Sampler, Electronics
Arnold Dreyblatt: Accordion
William Winant: Large Tam Tam
Michael Riessler: Soprano Clarinet

[Discography at TZADIK]
1995:Animal Behavior
1998:Theme Park
2004:Lost Marbles
2013:Shofar Rags <本盤>

 

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