TZ 8097:Noah Creshevky "The four seasons"(2013)

電子音は生楽器と滑らかに溶け、けっこうめまぐるしく風景が変わっていく。バロックの清涼さと現代音楽の複雑さが精妙に混ざった。

NY在住の作曲家、Noah Creshevskyの本作はTO KNOW AND NOT TO KNOW (2007) 、THE TWILIGHT OF THE GODS (2010) に続くTZADIK盤となる。リンク先のディスコグラフィーでわかるが、66年から活動しているベテランだ。

これまでは小品集のようだが、本作では初めてのトータル・アルバム。
細かい録音クレジットは無いが、2012年の作品。4楽章に3つのインタルードが入る7曲の組曲だ。夏で始まり、春で終わるのが一ひねりして一年間を構成した。

シンクラヴィアっぽい電子音から滑らかに生楽器の演奏へシフトする。メカニカルで後期ザッパを連想するメロディ使いは、ドライかつ鮮やかに音列を連ねた。しばしばメロディはくきくきと屈折し、コラージュ風の断裂もあるけれど。根本のところで、ひとつながりな太い音楽の流れをうっすらと感じる。

メロディはわずかにポップさを残し、オーソドックスな構成を残した。楽曲の動きと編集の動き、双方が入り乱れ複雑なビート感を出した。しかつめらしい"ゲンダイオンガク"の気取りも無いし、ノイズ風の投げっぱなしも無い。丁寧に楽曲を構築した労作で、ユーモラスな響きや構成も含めて真剣に作られた。硬軟併せ呑む懐深さが聴きどころ。音楽ジャンルは軽く横断し、無国籍で多国籍な響きだ。

歌声を短く切り刻んで並べた(3)のスピードある瞬間がスリリングだ。オーケストラのテープ操作と混ざり、爽快な抽象性を表現する。たぶんコンピュータ上で編集だろう。スマートな流れが痛快なほど。
(4)の人声は日本語も含んでる。音節でバラバラに解体し、サンプリングして並べかえる。意味が分かりそうで不明瞭。そんな中途半端の浮遊っぷりも楽しい。なお参加ミュージシャンもちょっと検索してみたが、多士済々のようす。

Personnel:
Amy Denio: Voice
Chris Mann: Voice
足立智美 : Voice
Teodross Avery: Tenor Sax
Adrian Banner: Piano
Orin Buck: Bass
Monique Buzzarté: Trombone
Jeremiah Cawley: Voice
Sherman Friedland: Clarinet
Beth Griffith: Voice
Rich Gross: Banjo
Kathy Hanson: Voice
Gary Heidt: Guitars, Voice
Ben Holmes: Trumpet http://ben-holmes.com/
Rodney Jones: Guitar
木村まり: Violin
Alex Kontorovich: Clarinet, Alto Sax
Maria Mannisto: Voice
Ray Marchica: Drums
Al Margolis: Clarinet
Gregg Mervine: Drums
Marco Oppedisano: Guitar
Lonnie Plaxico: Bass
Heather Chriscaden Versace: Bass
Susan Watts: Trumpet, Voice
Audrey Betsy Welber: Tenor And Alto Saxes
Amy Zakar: Violin


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