TZ 7170:Rob Burger "Lost Photograph"(2002)

アコーディオン奏者のロブ・バーガーが、ジョン・ゾーンの盤ではお馴染みのリズム隊(グレッグ・コーエンとケニー・ウールセン)をバックに、のびのび奏でたトリオの盤。
メロディアスで聴きやすく、クレツマー風味な器楽曲集として入門編に良いかも。ジョン・ゾーンの作品に多数参加してるが、リーダー作としてTZADIKでは本盤が初だ。

バーガーはアコーディオンだけでなく、さまざまな鍵盤楽器にバンジョーなどの弦楽器やグロッケンにパーカッションと、多彩に奏でるマルチぶりを披露した。ここでインタビューも読める。


収録したのは2曲のトラッドと、クルト・ワイル"Youkali"以外を除いてバーガーの自作曲。一曲は数分と短く、全14曲とたっぷり吹き込んだ。切なく力強い、クレツマー色の漂うメロディだ。一発録音では無くダビングも積極的に施した。(2)でのプリペアード・ピアノの賑やかな響きにアコーディオンが涼しげに鳴る辺り、アルバム冒頭からいきなりカッコいい。ライブ性よりもサウンドの切ない盛り上がりを優先した。

全般的に整ったアレンジ。ダビングによる多層性もさりげなく、トリオ編成から踏み出して、幾人かのゲストを招いたカルテットかクインテットあたりを狙った感じ。曲ごとに主となる楽器が微妙に変わり、アルバムとしてはバラエティに富んだオムニバスっぽい仕上がりだ。

コーエンは無骨にウッドベース一本で支えるが、ウールセンは曲によりビブラフォンやパーカッションも叩き分けた。
アルバムから滲むのは、パワフルな躍動感と整った構築性。双方がバランス良く組み合わさった。大陸的な大らかさとジプシー風の煙った色合いも漂う。ガッツはあるがスリルでなくダンサブルさの方が近いニュアンスを感じた。

ライナーには米の著述家ガートルード・スタインの言葉を引用してる。
"History is placed where it is and hope is full of wishes...anybody here is here for history"
「歴史が起こると、期待でいっぱいだ。皆はここで歴史のためにいる」ってとこ?なんかしっくり訳せない。単語は別にむずかしい言葉が一つもないのに。

Personnel:
Rob Burger: accordion, piano, toy and prepared pianos, claviola, celeste, Hammond S-6 organ, pump organ, bass harmonica, glockenspiel, Indian banjo, chamberlin, orchestron, marxophone, Casio keyboard, shortwave radio, music boxes
Greg Cohen: Bass
Kenny Wollesen: Drums, Vibes, Percussion

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