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Mary Halvorson 「Meltframe」(2015)

 尖ったメロディアスさが美しいギター・ソロ。

 メアリー・ハルボーソンが2015年にリリースしたギター・ソロのアルバム。おそらくキャリア初めての独奏の盤だと思う。
 発売レーベルはコネチカット州のFirehouse 12。レーベル・オーナーでありエンジニアのニック・ロイドが録音関係を担当した。

 自作は一曲も無し。取り上げた曲の作者を羅列すると次の通り。
 オリバー・ネルソン(1)、アネット・ピーコック(2)、ノエル・アクショテ(3)、オーネット・コールマン(4)、デューク・エリントン(5)。
 カーラ・ブレイ(6)、マッコイ・タイナー(7)、クリス・ライトキャップ(8)、トーマス・フジワラ(9)、ラスコー・ミッチェル(10)。
 新旧さまざま、仲間内まで含めて多彩な幅広さで、さまざまな立ち位置のジャズメンによる楽曲を集めた。

 たぶんすべて一発録音で、ダビングしていない。メロディアスなのに、どっか変。
 音色は乾いており、歪みは少ないがブライトでもないエレキギターだ。(7)や(8)のように歪んだ音色も効果的に使った。
 ピッチが揺れる奏法がしばしば。どう弾いてるんだろう。アーミングかスライドか。ブルージーさを保ちつつ、調子っぱずれさが不安定な揺らぎを産んだ。

 ファンキーさはぐっと抑え抽象的なアプローチ。しかし歌心は忘れない。たとえばしみじみと旋律を紡いだ(5)が、とても美しい。
 フリージャズの方法論に寄り掛からず、さらなる即興とオーソドックスのはざまを追求した。
 リズム楽器が無いため、自分のテンポ感で思うさまルバートさせる。しかし間の取り方は決してくどすぎない。素朴さが良い感じで現れた。
 クールに自分を見つめてるようにも、指が動くままに没入した伸びやかなフレーズ使いにも感じさせる。
 
 ベテランのように、自分のテクニックや指癖に頼り切らない。ゆえにスローテンポでも刺激的であり、速いフレーズでも無味乾燥になっていない。
 華は少なく、寂し気。とても乾いてる。しかし聴きごたえある、エレキギターのソロだ。



Personnel:
1 Cascades 4:09
2 Blood 4:07
3 Cheshire Hotel 3:03
4 Sadness 3:41
5 Solitude 5:49
6 Ida Lupino 4:19
7 Aisha 5:21
8 Platform 5:23
9 When 3:59
10 Leola 3:33

Personnel:
Producer - Ches Smith, Mary Halvorson, Nick Lloyd
Recorded By, Mixed By, Mastered By - Nick Lloyd
Guitar, Soloist - Mary Halvorson
Recorded November 4th & 5th, 2014 at Firehouse 12

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