TZ 7319:The Cracow Klezmer Band "Sanatorium Under the Sign of the Hourglass"(2005)

切ないが、どこか凛と張りつめた空気あり。
クレツマー・バンドによるジョン・ゾーン作曲の演奏を収めたアルバム。ポーランドのユダヤ人作家、ブルーノ・シュルツに捧げられた。ジャケット写真や引用の文章もシュルツのもの。アルバム・タイトルもシュルツの短編小説集"砂時計サナトリウム"(1937)から取っている。


Cracow Klezmer BandはMasadaの"Book of Angels Vol.5"(2006)の仕切りなど、TZADIKで6枚のアルバムをリリースしてるバンド。インスト4人が基本で、ゲストを招く編成みたい。
[TZADIK Discography]
2000:"De Profundis"
2001:"The Warriors"
2003:"Bereshit"
2005:"Sanatorium Under The Sign Of The Hourglass"【本盤】
2006:"Balan (Masada Book Of Angels Volume 5) ‎"
2007:"Remembrance"

本盤の作曲は全てゾーン。アレンジをJaroslaw Besterが施した。音楽構造はジャズ、でいいだろう。Masadaと同じ扱いで良いじゃないか、とも思う。しかしゾーンとして本盤は少々違う、別物な位置づけらしい。シュルツへの捧げもの、がポイントか。

楽曲はMasadaとさほど違いが判らない。アコーディオンがミニマルにリズムを刻むところが、ちょっと独自性かな?しかしこれはアレンジのためかもしれない。

メロディはクレツマー風、ひりひりした空気もMasadaに通じる。情感的な旋律が紡がれていくが、本盤はMasadaに比べ少々ドライかもしれない。でも、その程度。Masada Book IIと言われても、さほど違和感を感じない。
ドラマティックでボーカルが荘厳に加わる、10分もの長尺な(3)が最初のクライマックス。
あとは破綻の無い丁寧な演奏で、次々と曲が進んでいく。若干、混沌でおどろおどろしいところが本盤の特徴、かもしれないな。基本は破綻無く端正なアンサンブルを味わえる。
数曲で聴けるGrażyna Auguścikの涼やかなスキャットも素敵だ。

Personnel:
Jaroslaw Bester - bayan
Oleg Dyyak - bayan, clarinet, percussion
Wojciech Front - double bass
Jaroslaw Tyrala - violin

Grażyna Auguścik - vocals

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