TZ5005:John Zorn "Fred Frith John Zorn"(2004)

 即興巧者のデュオで、インプロの妙味が堪能できる一枚だ。
 完全抽象とメロディのはざまを絶妙のバランスで、二人は行き来する。改めて聴き直したら、凄くかっこよかった。

 一ヶ月連続でのジョン・ゾーン60歳生誕記念ライブ@NY Tonic。TZADIKでの第四弾リリースは、盟友フレッド・フリスとのデュオだ。03年9月15日、1stセットでの演奏。
 なお当日の2ndセットは山塚アイとのデュオ。同シリーズ第10弾でCD化された。

 デュオは"The Art Of Memory"(1994)まで遡る。音盤的には、この後にリリース無いがライブは行っている。このデュオにビル・ラズウェルが加わると、ユニット名はBladerunnerに変わる。音盤は無い、かな。そもそもフリスはネイキッド・シティのメンバーでもあり、ゾーンとの共演は数知れず。他にセッションでもフリスとゾーンは山のように共演音源がある。ここhttp://nyds-discographies.com/zorn.htmを"Fred Frith"で検索したら、86ヵ所も引っかかった。

 ビート無しのインプロが基本だが(4)のようにメロディを生かした、極上メロウな方向性も魅せる幅広さ。決して勢い一辺倒ではない。基本はノイジーで抽象的な音像のため、かなり聴く集中力がいる。ライブ現場ならば奏者の雰囲気に、のめり込めるが。ゾーンはハイテクニックでアルト・サックスを軋ませる。フリスは弦を弾くだけでなく、エフェクタや何らか別の奏法も取り入れてるっぽい。

 互いに遠慮もせず、てんでにもならず。押し引きやバランス、アンサンブルの構成を瞬時に判断し、前に立つ役がクルクルと変わる。3~6分くらいの小品9曲に仕立て、1ステージ全体のメリハリも付けた。
 
 なお(9)はケーブル故障のトラブルと再チューニングのさまを、テープ編集で摘ままずそのまま収録した。ライブ盤ならではの臨場感だ。ゾーンがふざけて「フレッド・フリスのソロだ!」と言っている。
 そして(10)。轟音から始まり、中盤で轟音とクロスフェイドで箏風に響かすギターが現れる。緩やかなサックスと混ざり静謐に浮かぶ、二人のダイナミズムが美しい。

Personnel:
John Zorn - alto saxophone
Fred Frith - guitars

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