FC2ブログ

Noël Akchoté 「Alexander Agricola: Canti」(2016)

 滑らかだが、時に引っ掛ける奏法でメロディの味わいを高めた。

 ノエル・アクショテによるルネサンス時代の音楽をギター編曲したシリーズの一環。アコギっぽい音色で二回ダビングして作成かな。
 一曲は二分弱程度にして16曲を収録した。

 アレクサンダー・アグリコラはWikiによると15世紀に活動したフランドル楽派の作曲家。ブルゴーニュ楽派と合わせネーデルランド楽派ともいうそう。
 イタリアを中心に広まり、当時の代表的な顔ぶれだとジョスカン・デュ・プレなど。17世紀にバロックへつながるモンテヴェルディに至る流れだ。
 アグリコラは独仏伊あたりで活動し、15世紀後半には有名な作曲家と評価されていたらしい。

 本盤で奏でられる楽曲は、どれも素朴で格調高い。ギター二本のシンプルなアレンジながら、和音の流れは流麗にして優美だ。しっとりしたメロディだが、時々がたつくのはアクショテの解釈だろうか。
 間を取りながら滑らかにメロディは流れていき、ときどきつんのめるようにアクショテはフレーズを引っ掛けた。

 ギターでアレンジされたせいもあるが、情感がじりじりとメロディから滲む。収録曲の音楽背景を知らずに聴いているが、教会音楽のような厳粛さより、もっと民衆向けの叙情性に近い。しかし粗野な奔放さは無く、端正にコントロールされた音使いはパトロンへの音楽に寄った。

 本盤にはたぶんアドリブ要素が無い。譜面を元に淡々と奏でてると思う。バロック時代には即興演奏は珍しいものではなかったはずだが、アクショテは指癖や即興という名の安易さに流れず、きちんとアグリコラの音楽を誠実に奏でた。

 切なく溢れるメロディは、一曲がたちまち終わりくどくならない。感情過多にならず、さくさく進むさまが穏やかながら爽快だ。



Track list
1 Adieu M'amour
2 Adieu M'amour 2
3 Amore, Che Sospirar Mi Fai
4 Fortuna Desperata
5 Et Qui la Dira
6 Mijn Alderliefste Moeschkin
7 De Tous Biens Plaine 1
8 De Tous Biens Plaine 2
9 Se Congie Pris
10 Tandernaken
11 Ales Regrets
12 C'est Mal Charche
13 O Venus Bant
14 En Attendant la Grace de Ma Dame
15 J'ai Beau Huer Avant Que Bien Avoir
16 Je N'ay Dueil

関連記事

コメント

非公開コメント