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Marcus King Band 「Carolina Confessions」(2018)

 若いのに。隙の無い老成したアルバムを、着実に作った。

 これはこれで、生真面目さが心地よい。サザン・ロックにたっぷりサザン・ソウル風味を振りかけた。
 2年ぶり3rdアルバム。ギター&ボーカルのマーカス・キングが率いる、トランペットとサックスもメンバーにいるこのバンドは、サザン・ロック界では高く評価されてるようだ。
 鍵盤は前作"The Marcus King Band"(2016)から変更かな。ナッシュヴィルで録音された。
 本作はグラミー賞受賞歴あるデイヴ・コブをプロデューサーに迎えた。前作はオールマン・ブラザーズ系の人脈だったが、一新した。

 写真一枚、コンセプチュアルでもあり古臭くもあり。時代を超えた埃っぽいサザン・ロックをじっくり聴かせる。
 楽器の分離はきっちりある一方で、音が溶け合い滑らかなグルーヴを作る。塩っけある線が少し細いボーカルも、二管の分厚いバンドに負けずしっかり立てた。

 ライブ録音っぽい生々しさもある一方で、勢い一発で仕上げずに丁寧にアレンジされた演奏は温かく頼もしい。ホーン隊ががっつり彩りつけて厚みある音像だ。
 ギタリストとボーカルが兼務のため、中心で目立つ役割は必然的にマーカスに固定される。
 しかしその分、歌の途中でギターは遠慮がち。コード・ストロークでシンプルにアンサンブルに加わった。

 時にオブリのエレキギターも入るが、マーカスのダビングだろうか。配信で聴いており詳しいクレジットがわかっていない。
 ソウルフルな女性コーラスも時に加わり、南部サウンドを愚直に真摯に展開してる。

 よく言えば時代を超えたサウンド。2018年の最新鋭とか新鮮味に色気を出さず、アナクロな美学を気負わず追求してる。
 レイドバックしたテンポでじっくり楽曲を重ね、統一感あるアルバムにまとめた。

 正直、スリルとは無縁の音楽だ。安定した保守反動のサザン・ロック。
 しかし評価の定まった60年代や70年代の盤をいまさら追体験するならば、せっかくだし現役で若い連中のサウンドを聴いたほうが、人生かけた成長をリアルタイムで追えて面白いのかもしれない。

 ぼくはサザン・ロックに詳しくなく、過去のバンドから受け継いだものと消化具合をまだ具体的に述べることができない。むしろ詳しい人の感想を聴いてみたいね。***みたいだ、と切り捨てるのか、消化具合ににやりとするのか。

 全10曲で48分。LPだとちょいと長めだが、LPに収まるレベルの楽曲群。やたらジャムや曲数で引き延ばしもせず、きっちりとコンパクトにまとめてきた。
 時代錯誤な気分にもなるけれど、数十年の歴史あるロックを無邪気に楽しんだ。きっちりしたアレンジを施したうえで。
 アメリカのバンドの常として、彼らは今、本盤を引っ提げたツアー中。ライブを重ねるほどに、経験積んで味が出てくるだろう。

 まずは丁寧に作られたこの盤を聴き進めて、更なる活躍に期待したい。

  
Track list
1 Confessions
2 Where I'm Headed
3 Homesick
4 8 a.m.
5 How Long
6 Remember
7 Side Door
8 Autumn Rains
9 Welcome 'Round Here
10 Goodbye Carolina

Guitar, Lead Vocals - Marcus King
Bass - Stephen Campbell
Drum, Percussion - Jack Ryan
Keyboards, Organ, Backing Vocals - DeShawn "D-Vibes" Alexander
Saxophone - Dean Mitchell
Trumpet, Trombone - Justin Johnson

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