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井上陽水 「Under The Sun」(1993)

 外部の血を多数入れて、けっこう軽いノリのアルバム。

 アレンジャーを見ると、陽水が世代交代を図ったアルバムに見える。川島裕二がBAn∧NA-UG-KAWASHIMA名義で(3)(11)を担当しつつも、(5)(6)(8)(9)で佐藤準、(7)で中西康晴、(10)で窪田晴夫を起用してバラエティさを図った。
 陽水自らも(1)(4)でアレンジを行った。

 なお楽曲製作の観点では(5)が佐藤準(彩目映の名義)、(6)が筒美京平と人の曲を採用。(7)(8)は前者が平井夏美、後者が佐藤準と共作した。(11)も川島と共作だ。
 歌詞では(8)に秋元康に任せてる。すなわち、他人の力をいつになく借りてる印象あり。
 のびのび歌って心地よく聴こえてしまうのが(6)や(7)なのだから。
 
 昔ながらの陽水節が弾ける(2)や(9)がある一方で、全体的にはニューウェーブを下敷きにカントリーっぽさにトロピカル色を投入と色々工夫して、楽想の目先を変えようとした趣あり。
 (4)では歯切れのよいエレキギター・ソロが映えるけれど、弾いてるのは誰だろう。
 全体として妙に若ぶった印象がある。(4)(5)のような陽水流のメロウな楽曲も、アレンジで派手に盛り上げた。

 肩の力が入ってない、とポジティブに取れなくないけれど。どちらかと言うと、お仕事的に無理やり作った感じもした。
 (9)(5)(6)の順でシングル曲。(9)(5)がアルバム先行だ。B面曲は(1)のみアルバム収録。(5)と(6)のカップリング、"プレゼント","引き揚げ者の唄"はアルバムに未収録となった。

 陽水の軽やかな歌声は、テクニック的に安定している。揺れながらも破綻しない。
 スリルまで尖りはしないが、自在に暴れて予定調和な大人しさに収まらない歌唱は独特の個性だ。
 最後はアレンジこそ派手な弦だが、静かにほんのりジャジーな(11)で小粋にまとめた。



Track list
1 Be-Bop Juggler
2 11 ―イレブン―
3 水瓶座の夜
4 Power Down
5 Make-up Shadow
6 カナディアン アコーディオン
7 鍵の数
8 ストイック
9 5月の別れ
10 Under The Sun
11 長い話

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