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Noël Akchoté / Mark Sanders / Evan Parker / Paul Rogers  「Somewhere Bi-Lingual」(1997)

 美しさより激しさより、抽象的で無秩序な即興を志向した。

 ノエル・アクショテ、エヴァン・パーカーらによるフリー・セッション。曲ごとに編成が変わる。いちばん出演が多く名前が冒頭にクレジットはアクショテだが、彼が完全に仕切ったわけでもなさそうだ。
 録音とミックスは97年4月にロンドンで行われた。
 
 全員でのセッションが冒頭4曲。あとは主にアクショテがホストの役割で、デュオ形式で組み合わせた短いインプロが並ぶ。
 マーク・サンダーズ、エヴァン・パーカーは独奏テイクもそれぞれあり。

 若干なりともメロディ的なものを紡ぐのはパーカーのみ。ロジャースも特にグルーヴを目指さない。アクショテが掴みづらいのはいつもの通り。
 そしてサンダーズは意外と大人しい音使いだ。

 そのため本盤のサウンドは、静かで隙間が多くゆったりしている。パーカーが厳しく金属的に多重奏法で吹き鳴らす場面もあるけれど、基本的には複数の風が漂っているかのよう。
 アクショテとパーカーが揃って、軋み音でドローンの展開を提示した場面はクールでゾクッと来た。

 テンション高く斬り合いが本盤の本質ではない。絡みすぎず、飄々とインプロが続いていく。
 アクショテの関与しない、パーカーとロジャースのデュオがむしろ異質だ。ほんらいならば、このような淡々でも互いに対話しあう鋭さが欧州フリージャズの醍醐味でもあるのに。

 その意味では、アクショテは本盤のトーンを見事に制御した。アクショテが入った瞬間、音像はじわり弛緩してつかみどころが無くなっていく。抽象性を増していく。
 アクショテとサンダーズのデュオでは、派手に暴れるパーカッションに煽られてエレキギターもいくぶん激しいフレーズが散見されたが。

 サウンドとしてはメンバーがそろった前半のインプロが本盤の独自性が良く出ている。後半のデュオはバトルする色合いが強い。アクショテがかなり、間や緊張感をなだめているけれど。



Track list
1 Activ II3 7:08
2 Silent II2 3:20
3 MPN I1 8:43
4 EPN I1&2 14:12
5 M 3:16
6 E 2:54
7 PE 4:00
8 MN 4:05
9 PN 7:47
10 EN 2:40

Personnel:
Guitar – Noël Akchote (tracks: 1 to 4, 8 to 10)
Bass – Paul Rogers (tracks: 1 to 4, 7, 9)
Percussion – Mark Sanders (tracks: 1 to 5, 8)
Soprano Saxophone, Tenor Saxophone – Evan Parker (tracks: 1 to 4, 6, 7, 10)

Recorded and mixed at Gateway Studio (London) the 15th and 16th April 1997.

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