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Noël Akchoté 「C.C. Savoy - Plays The Music Of Charlie Christian」(2015)

 多重録音のアコギが軋みながらフリー寄りのスイングを奏でた。

 "Original Jazz Series"と銘打って、ノエル・アクショテが2015年に15枚ほどリリースした作品の一つ。2015年7月30日に録音された。
 このシリーズブルーズ歌手も取り上げており、ジャズへさほど拘らなかったようだ。
 本盤はチャーリー・クリスチャンがテーマ。楽曲はクリスチャン、ベニー・グッドマン、ファッツ・ウォーラーらの名が並ぶ。

 スイング一辺倒のオーソドックスな演奏ではない。リズムとメロディ、数本のアコギをダビングして、フリーに近しいアプローチで演奏した。
 ネックを指が擦る音をふんだんに拾っており、リズム楽器は皆無なのに軋む音が膨大に溢れて妙なリズミックさを産んだ。

 調子っぱずれな音使いは無い。時々アドリブが妙に和音へ乗らぬ音を使うけれど、基本はオーソドックスな演奏だ。でも、変。どこか浮遊して、現実離れした危うさを秘めている。
 テクニックが怪しいわけでもないのに、立ち上る音楽は奇妙で妖しい。

 ほぼ全曲、弾きっぱなし。リズムを先に録ってアドリブをあとかぶせだろう。小節数や構成はあまり気にせず、とりあえず一通り弾いたらハイ終わりって風情だ。 
 リズムの方も大人しくパターンを弾きっぱなしではない。しょっちゅうフレーズは揺れ、アドリブっぽい動きもしばしば。
 要するにギター数本でのスインギーなインプロ作品。

 アクショテは本盤でスイングを解体や冒瀆は狙っていない、はず。たぶん愛情と言うかせめて材料程度の誠実さを持って楽曲に向かい合っている。
 けれども演奏そのものが矢継ぎ早に弾いては次に進むせわしなさのため、躁的な危うさがいつものように充満してる。

 穏やかにスタンダードを楽しむには向かない。前衛路線で慌ただしい再解釈を楽しもう。曲の面影やテーマの展開を気にせず、アクショテは好き放題に弾いてる。



Track list
1 Air Mail Special 3:36
2 Grand Slam (Boy Meets Goy) 2:56
3 Honeysuckle Rose 3:51
4 Rose Room 2:09
5 Seven Come Eleven 2:37
6 Shivers 2:23
7 Solo Flight 2:53
8 Stardust 3:30
9 Stompin' At The Savoy 2:38
10 Till Tom Special 2:58
11 Wholly Cats 2:50
12 A Smoo-o-o-th One 1:52
13 Benny's Bugle 2:23
14 Breakfast Feud 3:19
15 I've Found A New Baby 2:35
16 Air Mail Special (Alternate Takes) 1:30

Recorded in Paris (France), 30 July 2015

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