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Prince 「Anthology: 1995-2010」(2018)

 むりやり、けれどしっかり15年を3時間強に押し込んだ好コンピ。

 プリンスの独占販売権を得たソニーの子会社Legacy Recordingsが、2018年の8月17日に1995~2010年のアルバム23タイトルを一気に配信にあたり、入門編として編んだデジタル・アルバム。
 Amazon Music Unlimitedでは2018年9月8日に配信対応されてたことに気が付いた。

 地味目のファンクネスで始まりながらも、メロディ要素もたっぷり。独特のねっとりとしなやかなプリンスのサウンドを盛りだくさんに楽しめる。

 37曲入り、3時間15分のボリューム。長尺のデジタルならでは。CDだと3枚組か。敢えてパッケージ化せず、配信に絞ったことをぼくは評価したい。
 
 プリンスの音楽をもっと手軽に、いつでも聴ける環境にして欲しい。パッケージだと在庫や流通の問題が発生して、廃盤のリスクが付きまとう。
 配信だといきなりサーバから無くなる可能性と、その時の喪失感も半端ないのだが。ならばMP3を購入しておけばいい。

 配信だとリスナーは所有欲を満たされない。利益率も低いと思われる。観客側もメーカ側もデメリットがある一方で、まだ在庫リスクの低い配信ならアクセス継続が容易、かもしれない。
 一儲けならパッケージ販売だったはずだが、敢えてその選択肢をメーカ側は取らなかった。英断と思う。

 音質厨的には配信は音質が気に入らないのかもしれない。でもCDの時点でアナログと比較するなら音質も何も無い。ならば現行タイトルをしっかり買い支えたらいい。メーカ側も気が向いて高音質配信するかもしれない。
 ちなみにぼくはもう何年も前にPCオーディオへ移行しており、音質云々をぬかす資格はとっくに無くなっている。

 もっとも当時のプリンスはファットな音像に拘りつつも、あまり高音質を評価してたとは思えない。
 そうそう、やたらデジタル臭かった"Rave Un2 The Joy Fantastic"の曲も、硬質に尖った"The Gold Experience"の曲も、ここではあまりエッジを立てずマスタリングされて、他の曲に馴染んでる。

 本タイトルの選曲はワーナー時代が含まれない。1980年頃に産まれた人が選曲した、"王道ベスト盤"って趣きだ。
 拡販も兼ねており、ライブ盤を除く各アルバムから満遍なく選んでいる。
 数曲以上選ばれたアルバムは、次の通り。
【6曲】"The Gold Experience"
【3曲】"Rainbow Children","Crystal Ball","Planet Earth"
【2曲】"Chocolate Invasion","Emancipation","Chaos and Disorder","Musicology"

 何気にキラー・チューンの嵐な"The Gold Experience"から多く選ばれたのはうなづける。シングル曲的な作品も多いし。楽曲ボリュームに比例せず"Emancipation"から2曲のみってのは物足りない気がするけれど、バランス考えたら仕方ないか。
 "Chocolate Invasion"から2曲も選ぶあたり、選者のこだわりがある。

 マニアックっぽく見えるかもしれないが、シングル曲はほぼ網羅している。"The Most Beautiful Girl In The World"が落ちたのは意外だった。"The Greatest Romance Ever Sold"との重複感を回避と思われる。
 あとは来るべき"NPGレーベル集"での発表って括りでのリリースに取っておいたって企図を期待する。

 他に目立つシングル曲的なとこで落ちたのは"Cinnamon Girl"とか。
 個人的には大好きな名曲、"Chelsea Rodgers"の収録が嬉しい。
 ともあれ細かな選曲のあれこれを言ってもしかたない。文句あれば、同時配信のアルバムを舐めるよう聴けばいい。なんと有難い。過去のレア盤も、一気に今回は再発されている。

 そもそも文句を垂れるのは、このアルバムを繰り返し聴いてからだろう。
 本タイトルに限ったって、容易に聴きとおせるボリュームではない。
 いずれにせよ駄曲や捨て曲は皆無。あれもこれも選曲から落ちている、と言いたくなるほどプリンスは多様な名曲をたっぷりとリリースし続けてきた。
 ぼくも含めて、リアルタイムでは「なんか違う」と、耳を曇らせて聴いていた。けれども今は、プリンスの喪失感とともに聴き返し、彼の偉大さを痛感してる。
 この芳醇で多様で膨大な作品群は、ほんとうに圧倒的で素晴らしい。

 まさに入門編として、数多くいろんな人に聴いて欲しい。カネも回ればメーカ側も後続タイトルの発売へ弾みがつくだろう。
 プリンスは戦略的に、敢えて当時は同時代のリスナーしか聴けない工夫をこらしてきた。
 しかし彼の残した作品は、高額ショーケースの中や倉庫に押し込めて良いものではない。もっともっと聴かれてしかるべきものだ。

Track list 
1 Emancipation 4:13
2 Black Sweat 3:11
3 P. Control 5:59
4 Crucial 5:08
5 The Love We Make 4:39
6 Eye Hate U 6:07
7 The Greatest Romance Ever Sold 5:33
8 Eye Love U, But Eye Don't Trust U Anymore 3:36
9 Gold 7:23
10 Guitar 3:45
11 Dream Factory 3:07
12 The Work (Part One) 4:28
13 Call My Name 5:16
14 Strays Of The World 5:07
15 Shhh 7:18
16 Dreamer 5:32
17 Chaos And Disorder 4:19
18 Endorphinmachine 4:07
19 Musicology 4:24
20 Northside 6:31
21 When Eye Lay My Hands On U 3:41
22 Beautiful Strange 4:56
23 Future Soul Song 5:08
24 Empty Room (Live From 'One Nite Alone' Tour 2002) 4:01
25 3rd Eye 4:54
26 U're Gonna C Me 5:17
27 Dinner With Delores 2:46
28 Ol' Skool Company 7:30
29 4Ever 3:47
30 West 14:00
31 Xpedition 8:23
32 Muse 2 The Pharoah 4:21
33 Somewhere Here On Earth 5:46
34 U Make My Sun Shine 7:06
35 1+1+1 Is 3 5:17
36 Chelsea Rodgers 5:41
37 We March 4:49

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コメント

非公開コメント

さすが!

telはん、ホンマその通りやでー!
ワシ的には、Crucialとドリファクを
収録してくれてるとこ評価や。

てことでtelはん、
もっとプリ様の記事書いてくんろー(*´ω`*)

Re: さすが!

コメントありがとうございます。プリンス関係で、ぼくが書いた記事は以下のカテゴリにまとめてます。
http://tel1400.blog.fc2.com/blog-category-29.html
よろしくどうぞー。

読んだでー😃

読んだで読んだでー!

これからも、もっともっと
モットザフープルも顔負けの勢いで
プリ様の記事しくよろー!😃

Re: 読んだでー😃

ありがとうございます。今後も頑張りますっ。