FC2ブログ

Jimmy Smith 「I'm Movin' On」(1963)

 唯一、グラント・グリーン(g)と共演した盤。

 ジミー・スミスが63年に吹きこんだ本盤の、リリースは67年。62年にジミーはVerveへ移籍済みだから、ブルーノートとしては発掘音源扱いで発表かな。
 虚飾の無いオルガン・トリオな編成のアルバム。ただしギタリストが、これまでのQuentin Warrenではない。このあとの盤でもQuentinは復帰しているから、メンバー交代ではなく本盤のほうが、一過性のセッションなのだろう。ブルーノートの企画かな。
  
 本盤でギターを弾いたグラントは61年にデビュー。売り出し中の彼を起用して、グラントの活動に弾みをつけようって企画だったのかもしれない。
 ジミーとの相性は、ちょっと微妙かな。ブルーノート時代にジミーは、自らのオルガン・トリオと、綺羅星なジャズメンとの共演と二種類の路線を使い分けた。
 
 本盤は若手のグラントを呑んでかかったか、あまりギターを立てていない。オルガンの演奏へ専念し、自らが奔放に弾きまくった。
 とはいえブルージーで暗めの曲調がほとんど。(1)でこそファンキーに盛り上がるが、あとはじっくり穏やかにオルガンと対峙した。この華の無さゆえに当時はボツったのかもしれない。

 ギターとオルガンの丁々発止を期待してはいけない。唯我独尊なジミーへ、いかにグラントが立ち回ったか、の盤だ。そしてグラントはあまり自己アピールには成功していない。ジミーを立てるというより、あまり目立とうって意識で本盤へ臨んでなさそうだ。
 もちろんアドリブを取る場面もあるが、基本はバッキングに徹している。

 95年にCDで再発にあたって、ボートラの2曲がついた。それを含めて全8曲。ジミーのオリジナルは2曲のみ。
 ボートラ2曲も抑え気味なテンションのため、録音された63年1月31日セッションは総じて、今一つ跳ねない雰囲気だったみたい。
 
 アグレッシブっぽいタイトルとは裏腹に、静かにジミーのオルガンへ浸る盤。熱さを求めるなら、他の盤がいい。
 

Track list
1 I'm Movin' On 5:15
2 Hotel Happiness 2:20
3 Cherry 3:55
4 T'aint't No Use 6:05
5 Back Talk 11:05
6 What Kind Of Fool Am I 6:55

7 Organic Greenery 7:27
8 Day In, Day Out 6:45

Personnel:
Jimmy Smith – organ
Grant Green – guitar (tracks 1-5, 7-8)
Donald Bailey – drums (tracks 1-5, 7-8)

関連記事

コメント

非公開コメント