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Jimmy Smith 「Softly As A Summer Breeze」(1965)

 弾き倒しも二種類ある。濃淡さまざまなオルガンの配分だ。

 録音は58年2月26日。LPとしては65年に発掘音源の形でリリースされた。現在のCDは、同時期である58年10月14日の音源4曲をボートラにした再発がある。

 2月のセッションではレギュラー・バンドのエディ・マクファデン(g)とドナルド・ベイリー(ds)とセッションは2曲のみ。
 ケニー・バレルにフィリー・ジョー・ジョーンズとブルーノートの凄腕ミュージシャンと並んでセッションが大半を占める。

 58年当時にLP化をせず、丸ごとボツったってことは、狙いほど気に入った演奏が録れなかったのだろう。
 わざわざレギュラー・バンドと別の顔触れって二段構えのセッションは、なんだか贅沢と言うか奇妙な感じ。
 ディスコグラフィーを見ても、本録音の前は前年11月、次は同年4月1日まで間が空く。

 レギュラー・バンドでのスミスに飽き足らないアルフレッド・ライオンが、試しにブルーノートのミュージシャンとセッションさせてみた、ってのが本録音の真意ではないか。

 レギュラー・バンドではスミスがお山の大将になれる編成だ。しかし本盤の(1)~(4)では、ギターもドラムも一筋縄ではいかない。
 熱気持って疾走する、コクのある丁々発止な演奏だ。典型が(2)。小刻みにソロを互いに挟みながら、ぐいぐいと音を三人がばらまいた。

 (6)以外はスタンダード。耳馴染みのレパートリーで存分に渡り合う。むしろそつなく出来あがり過ぎと判断して、58年当時はお蔵入りにしたのかも。

 前半4曲の演奏はスミスが前面に出ず、三人がフラットな立ち位置。スミスの弾き倒しを期待では物足りない。
 とはいえスミスも別にお行儀よいままではない。(4)の長尺ソロではグイグイとフレーズを伸ばしながら弾き倒し、拍頭をずらして流れをあいまいにする得意の技が聴ける。
 
 このへんにスミスのアンサンブルにおける立ち位置の微妙さと、同格以上の相手だと大人しくなってしまうスミスのナイーブさを見た。

 すなわち(5)(6)の後半2曲は、のびのび弾き倒すスミスのようすが明らかだ。
 ギターにもソロのスペースを与えつつ、いざ自分のアドリブではたっぷりオルガンを操った。
 (5)(6)ではリズムが、少しおぼつかない。(1)~(4)で小技を隙あらば投入するのと対照的なドラムだ。

 グルーヴ感が異なると、スミスの演奏はどう変わるか。アルバム一枚に二種類のコンボを並べ、スミスの個性を結果的に浮き彫りにする企画盤、と感じた。

 スリルなら前半。我が物顔の弾き倒しなら後半。ぼくは後半のほうが好み。完成度高いスリルも良いが、どうせならとことん個性出るさまが面白い。


Track list
1 These Foolish Things 5:25
2 Hackensack 5:55
3 It Could Happen To You 5:55
4 Sometimes I'm Happy 8:15
5 Someone To Watch Over Me 6:40
6 One For Philly Joe 4:45

Personnel:
Jimmy Smith - organ
Kenny Burrell - guitar, (tracks 1-4)
Philly Joe Jones - drums, (tracks 1-4)
Donald Bailey - drums, (tracks 5-6)
Eddie McFadden - guitar, (tracks 5 & 6)

Recorded at Rudy Van Gelder Studio in Hackensack, New Jersey on February 26, 1958 (tracks 1-6)

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