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Tower of Power 「T.O.P.」(1993)

 流行狙いは捨て去り、誠実にToP色を追求した好盤。

 ジャケットこそメカニカルな印象だが、サウンドはアナログ。前作"Monster on a Leash"(1991)でのアレンジの多様性による、ヒット曲狙いな色気は振り去った。
 分離の良い現代風の録音技術ながら、アプローチは70年代そのままのタワー・オブ・パワー印を提示した。

 メンバーは前作から変更なし。おそらくツアーも重ねたろう。アンサンブルの一体感はさらに強まっている。
 ただし盤石とはいかなかった。本盤を最後に、古株メンバーのグレッグ・アダムズ(tp)はバンドを去る。そして前作での新ボーカル、トム・ボウズも本盤が最後。
 この時点でバンド内に軋轢があったのだろうか。少なくとも本盤時点では、和気あいあいだったと思いたい。
 
 ゲストに過去のメンバー、レニー・ピケットを迎えたりと往年のファンにアピールする要素もある一方で、外部のサックス奏者にソロを取らせる謎のアレンジもあり。
 楽曲が粒ぞろいで演奏もばっちりなだけに、なんともしっくりこない。

 プロデュースはカスティリョ、楽曲もメンバーたちの曲を取り上げつつ、基本はカスティリョとドクとToPらしさは減じていない。

 14曲で一時間弱。ボリュームたっぷりで当時のCDサイズを意識した。
 (7)と(14)のクサビでアルバム全体のメリハリ作りも行っている。
 (1)や(10)(13)などライブ映えする曲も、アルバム全体に散らした。

 全体のイメージは少し落ち着いた、かな。アップで幕開けするもハイテンションで押しまくらない。むしろメロウさが前に出て、AOR路線っぽい。若者に媚びを売らず、同世代の大人をターゲットか。フュージョンっぽさもうっすらあり。スリルや新機軸は薄い。
 それでも本盤は良いアルバムと思う。背伸びせず等身大で、ToPの魅力と持ち味を素直にしっかり提示した。

Track list
1 Soul With A Capital "S" 4:59
2 It All Comes Back 3:55
3 Please Come Back (To Stay) 5:28
4 The Real Deal 4:30
5 Come To A Decision 5:32
6 Cruise Control 5:04
7 The Educated Bump Part I 0:54
8 Mama Lied 3:35
9 Quiet Scream 4:21
10 I Like Your Style 4:19
11 You 4:31
12 South Of The Boulevard 5:59
13 Come On With It 4:52
14 The Educated Bump Part II

Personnel:
Tom Bowes - lead vocals, background vocals
Carmen Grillo - guitar, background vocals, lead vocals on You
Francis Rocco Prestia - bass
Russ McKinnon - drums, percussion
Nick Milo - keyboards
Emilio Castillo - tenor saxophone, background vocals, lead vocals on Come on With It
Stephen "Doc" Kupka - baritone saxophone
Greg Adams - trumpet, flugelhorn, horn arrangements, flugelhorn solo on "Cruise Control", trumpet solo on "Quiet Scream"
Lee Thornburg - trumpet, flugelhorn, trombone, vocals

Lenny Pickett - saxophone solos on "The Educated Bump" Part I & II, "It All Comes Back", "Come On With It", "South Of The Boulevard", "The Real Deal"
Brandon Fields - saxophone solo on "Cruise Control"
Paul Perez - tenor saxophone, alto saxophone
Poncho Sanchez - congas on "South of the Boulevard", "You" 

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