FC2ブログ

Joey Baron 「Just Listen」(2013)

 自由で奔放なリズムを、幻想的なギターが自在に縫うライブ盤。

 マサダやネイキッド・シティを代表にジョン・ゾーンの各種盤へ参加してきた、ジョーイ・バロン。ネイキッド・シティでは共演もしつつ、NYに留まらないアメリカーナを意識して多様な活動を続けるビル・フリゼール。
 NYダウンタウン・シーンを代表する二人が、二人だけで演奏したライブ盤だ。

 NYのインディ・レーベルRelative Pitch Recordsから2013年に発売だが、録音は08年。11月16日に独のForum Bundeskunsthalleで収録された。
 (2)のように完全インプロもあるが、基本はスタンダードなど曲を演奏している。(1)と(9)の前半曲もインプロかな。
 (4)がバロン、(3)がフリゼールのオリジナル曲。サム・クックの(5)など、意外な選曲もあり。

 どこまでも自由に行ける編成であり、基本はフリージャズ。けれど曲演奏で構成は、観客受けを意識か、ある程度の縛りをいれるためか。

 いずれにせよバロンのドラムはいつも通り。まっとうにビートを刻むことなどまずなく、軽やかかつ自在にタムを叩く。にもかかわらず、テンポ感の安定とグルーヴの確かさはさすが。
 フリゼールもギターを歌わせつつも、メロディに寄らず時にパーカッシブなフレーズを混ぜて、アバンギャルド寄りのアプローチ。

 融通無碍なドラミングのバロンと、幅広い引き出しを持つフリゼールの一騎打ちは、思いのほか優美でしなやかだ。ライブゆえの人目を意識した整いっぷりも拍車をかけた。
 スタジオで内面に潜り先鋭を目指すよりも、フリーさを踏まえながらも起承転結や構成の意識がそこかしこに産まれる。それでいて予定調和は欠片も無い。
 ブライト音色でアルバムを続けて、最後の(9)に歪んだ音色を投入しグワッと盛り上がるライブ全体の流れも良かった。

 場数を踏んだベテラン同士の、安定しつつもスリリングな交歓だ。ノイジーさとメロウさが一瞬にして入れ代わり、唐突さが無い。
 バロンの乱打なドラミングと、伸びやかにフレーズを歌わせるフリゼールのギターが見事に調和した。

Track list
1 Surprise / Benny's Bugle
2 Trick Memory
3 Pick Apart
4 Night Howl
5 A Change Is Gonna Come
6 Cherokee
7 Mood
8 My Little Suede Shoes
9 Home On The Road / Follow Your Heart

Personnel:
Drums – Joey Baron
Guitar – Bill Frisell

関連記事

コメント

非公開コメント