TZ 7360 Uri Caine "Moloch: Book of Angels 6"(2006)

アルバムごとに編成や奏者を変え、Masada第二弾"The Book of Angels"の316曲を演奏するシリーズの第6弾はピアノ・ソロ。見事なテクニックで弾きまくる、抜群のジャズ・ピアノだ。スイング感は希薄で、欧州ジャズのクラシックに通じる流麗さを感じた。
最初は聴き流してしまうが、繰り返してるうちにじわじわと良さが体にしみこむ。

基本的に中間部分はアドリブだが、すべて譜面でもおかしく無いくらい、テーマを生かした一気通貫の即興性だ。とはいえ単なる変奏に留まらない。自由に展開する。時にクラスターのフリーさまで、幅広い音楽性にて。
この前のめりなノリがクレツマー独自のものか。楽曲ごとにアドリブや楽想のアプローチはまちまちなのに、驚くほどアルバムの統一性がある。ピアノのしっかりしたタッチは濁らず、清涼に響く。

しかし繰り返し聴くほどに、そこかしこに細かなピアノのアイディアに気が付く。聴き応えある盤だ。

Masadaの感想エントリーで恒例の収録曲チェック。18トラックもあるのに、他のBook2と全然曲目がかぶらない。"Carniel"がMasada String TrioのVol.16で取り上げられたくらい。演奏解釈の妙味を他の盤と聴き比べより、本盤のみで新たなMasadaの世界を楽しむ形か。
なお"Rimmon"はアルバム冒頭と最後で取り上げ、2回演奏で作品全体を挟み込む。
(1)は時に荒々しいタッチ。最後の(19)は勇ましく転げる豊かなタッチで解釈した。06年9月6日、一日で録音は完了。

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