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敦賀明子 「So Cute, So Bad 」(2017)

 穏やかで暖かいオルガン・トリオ。破綻よりも丸みが持ち味か。

 オルガン奏者の敦賀明子は大阪出身だが01年に渡米。NYのShowman'sに飛び入り参加を引っ掛けにルー・ドナルドソンのレギュラー・カルテットにも参加という。
 拠点をNYに置き活動を続ける敦賀が、17年にリリースした9枚目のリーダー作。1st"Harlem Dreams"(2004)ぶりの、オルガン・トリオ編成だそう。
 ライブ盤であり、座席数80くらいのキャパなLAのAlvas Showroomで収録された。

 日本人として期待に応えつつ、むやみなファンキーの物真似はしない。そつなくジャズを奏でている。はみ出した傍若無人さを期待する人には向かないが、これが今のスムース・ジャズ寄りのアプローチなのかもしれない。
 熱気よりも端正さ。尖りよりもふっくらした安定感で、丁寧にジャズ・オルガンを奏でてる。

 敦賀のオリジナルは(1)(7)(8)。(2)(5)のスタンダード、(4)のベイビー・フェイス・ウィレットの曲など幅広い選曲で、王道をきれいに攻めた。

 (7)の下総皖一が作曲の"七夕"とは、「ささのはさらさら~」と唱歌でおなじみの曲。日本人として現地で期待されるオリエンタルさ要素も演出として忘れない。
 ちなみにこの曲、エレピっぽい音色で柔らかく上品に奏でられた。おしゃれなフュージョン風にアレンジされており、予備知識無かったらパッと曲が分からなかったかも。

 サイドメンはJeff Hamilton(ds)と、Graham Dechter(g)。80年代から活躍するベテラン・ドラマーと、新鋭ギタリストな構図だ。
 過不足なく敦賀を支えて、優しさとおしゃれさを保ったオルガン・ジャズを奏でた。

 ぐいぐいと熱く汗が滴るファンキーさ、イカれて煙る怪しささを求める盤ではない。タバコの煙まみれなバーの片隅でなく、きちんとしたクラブで味わうストレート・アヘッドなジャズだ。なおブルーズは(4)で味わえる。明朗さがきっちりあり。
 全体的に胡散臭さやスリルよりも、寛いで聴けるジャズ。スピードも控えめ。

Track list
1. So Cute, So Bad
2. The Lady Is A Tramp
3. Face To Face
4. Frame for the Blues
5. You Don't Know What Love Is
6. Tanabata
7. Peachie
8. Pretty Please

Personnel:
Akiko Tsuruga(org)
Jeff Hamilton(ds)
Graham Dechter(g)

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