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Ornette Coleman 「Tomorrow Is the Question!」(1959)

 メンバーと自分の音楽を共有すべく、手探りっぽいアルバム。

 オーネット・コールマンにとって発売順では3rdだが、録音時期だと2nd。Contemporaryへの吹きこみは本盤まで。次はAtlanticに移籍した。
 カルテット編成、前回からピアノを抜いて音楽のコンセプトをより削ぎ落す。

 この時点のオーネットはポリフレーズでなく、オーソドックスなジャズのスタイルながらも、リズムとフロントの対比を追求した。
 フロントはドン・チェリーという最高の相棒を既に得ており、引くも攻めるも思いのまま。あとはリズムとどう絡むかに腐心と感じる。

 前作からドラムはBilly Higginsに代わりShelly Manneへ。ベースをDon PayneからPercy Heath (tracks 1–6)、Red Mitchell(tracks 7–9)と使い分けた。
 本盤には4回のセッションを実施。順番に言うと59年1月16日に(7),同年2月23日に(8)(9)、残りを同年3月9日と10日に行った。

 つまりまずRed Mitchellを起用。OKテイクが1曲しかなく、改めて行うも2曲だけ完成。
 そこでベースを変えて仕切り直し、完成させた格好になる。

 当時の知名度ならばオーネットやドンは駆け出し。シェリー・マンやパーシー・ヒースのほうが高かったろう。レッドのベースに飽き足らないオーネットへ、レーベル側がパーシーを推薦って構図だろうか。

 ならば(1)-(6)のほうが良い出来かと言うと、そうでもない。むしろ(7)以降が、その後のオーネットらしい骨太なベースと感じる。
 パーシーは素直にベースを弾きまくってしまい、これまでのジャズの文脈から飛び出していないため。
 破調こそがオーネットの魅力。ならばその足を引っ張るアンサンブルはいかがなものか。
 確かに無難さを求めるならば(1)-(6)かも、だけれど。

 (7)以降で聴けるレッドのベースは、武骨だ。4ビートのランニング・ベースの要素を残しつつも、どこかとぎれとぎれ。
 パーシーの強靭で歪みの無いベース・ラインとは対照的だ。

 一方でシェリー・マンの頼もしさも驚異的。オーネットより10歳上で本盤録音時点は39歳。頭が固くなっていないのか、奔放なジャズをガッシリ受け止め、リズム・キープも変則フィルもお手の物。
 このとき36歳なパーシーの、頑固なほどにブレない伝統的なベースと比べたらなおさら。

 なおこのときオーネットは29歳だった。本盤でも全曲をオリジナルで書き下ろし。自分のアドリブ披露だけでなく、自作で個性の表現を精一杯行った。
 前作での危なっかしさは、だいぶ収まった。ピッチの揺れもワザと崩しっぽさが強い。
 饒舌に動くビバップ風ながら、グキグキひねったメロディ進行も奇矯さはさほど目立たない。
 たぶんアンサンブルが安定してるためだろう。いい意味でも、悪い意味でも。
 たとえば(6)みたいに突拍子無くたって、リズム隊は驚かない。きっちり型にはめている。

 本盤はオーネットの音楽性を、咀嚼して再表現するリズム隊によって演奏された。いわばアートを目指すフロント二人と、お仕事でこなすリズム隊って構図が浮かぶ。
 (8)で7分強を除けば、それぞれ数分程度でコンパクトにまとめた。

 悪くは無いが、物足りなさが残る。次作以降で冴えわたる、アルバム群の素晴らしい出来と比較したら。

Track list
1 Tomorrow Is The Question! 3:09
2 Tears Inside 5:00
3 Mind And Time 3:08
4 Compassion 4:37
5 Giggin' 3:19
6 Rejoicing 4:01
7 Lorraine 5:55
8 Turnaround 7:55
9 Endless 5:18

Personnel:
Ornette Coleman – alto saxophone
Don Cherry – trumpet
Percy Heath – bass (tracks 1–6)
Shelly Manne – drums
Red Mitchell – bass (tracks 7–9)

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