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Sea and Cake 「Oui」(2000)

 軽やかでミニマル要素が上手く混ざった、素敵なアルバム。

 シー&ケイクの5thは前作"The Fawn"(1997)から3年ぶり。バンド4人だけでなく、弦や管をゲストに招いた。ブラスのアレンジはポイ・ドッグ・ポンタリングのPaul Mertens。ハワイからシカゴに拠点を移した93年頃からポイへ参加したメンバーだ。

 同じシカゴ仲間、として交流があったようす。改めてDiscogsを眺めると、Stereolab"Dots And Loops"(1997)やArcher Prewitt"White Sky"にもポールのクレジットがあった。
 その後はブライアン・ウィルソンの仕事に加わるため、シー&ケイクとの交流はないようだが。

 とはいえ弦や管は飾り程度。あまり豪華にせず、本盤そのものはバンド・アンサンブルを大切にした。

 サム・プレコップの柔らかく引っ掛かりのないボーカルが、きれいなメロディを歌う。
 伴奏は乾いたジョン・マッケンタイアのドラムに乗って淡々と演奏された。
 キュートな仕上がりなのに、肌触りはミニマルで機械的なノリ。リズムボックスのデジタルさとは違う、ジャストで揺れないリズムの持つ冷静な展開だ。ポップなのに乾いて突き放す。情感を削ぎ落し、それでもなお可愛らしさを保っている。

 静かで穏やかなサウンドは、愛おしい。どんなにクールでも。
 すっとハチロクの拍子を使った曲も混ぜて、アルバム全体の流れを単調にしない。

 主役はメロディ。さらに音色やアレンジ、サウンドの質感にも気を配り、隙の無い音像を作った。本盤がシー&ケイクのキャリアでは名盤として評価高いらしい。

 シー&ケイクとして、実験要素をあまり前面に出していない。
 間奏などに精巧で緻密なアンサンブルの組み立てがにじみ出て、決して一筋縄では行かないサウンドではありながら。
 弦や管も使い方がものすごくさりげない。音が決して分厚くなり過ぎず、抜けのいい軽やかな雰囲気を丁寧に演出している。

 サムの滑らかな歌声と、淡々とした演奏が醸し出す柔らかな雰囲気に乗って、どんどんと時間が過ぎてしまう。気持ちいいアルバムで間違いない。

Track list
1 Afternoon Speaker 4:18
2 All The Photos 3:19
3 You Beautiful Bastard 5:54
4 The Colony Room 4:10
5 The Leaf 4:24
6 Everyday 3:01
7 Two Dolphins 3:45
8 Midtown 2:56
9 Seemingly 4:46
10 I Missed The Glance 4:01

Personnel:
Drums, Percussion, Vibraphone, Marimba, Keyboards, Recorded By, Mixed By – John McEntire
Bass – Eric Claridge
Guitar, Keyboards – Archer Prewitt
Vocals, Guitar, Photography – Sam Prekop

Cello – Alison Chesley
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Flute, Alto Flute, Clarinet, Bass Clarinet, Arranged By [String And Horn Arrangements] – Paul Mertens
Trombone – Jeb Bishop
Violin – Susan Vøelz

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